帝京大学医学部附属病院(所在地:東京都板橋区)は2026年3月16日、紹介患者の受け入れから退院調整までの患者ワークフローをITシステムで効率化する実証実験を開始した。事務業務の30%削減を目指す。また、医事システムと電子カルテのデータをもとに連携を強化すべき施設を分析し、紹介患者の受け入れ増加を図る。
帝京大学医学部附属病院は、地域(板橋区)の特定機能病院として年間3万人を超える紹介患者を受け入れており、患者や医療機関からは毎日約200件の問い合わせ電話がある。特に、他の医療機関からの緊急受診・転院依頼では、医師との調整など受付スタッフによる受け入れ対応に時間と負荷がかかっており、外来受診や入院までに待ち時間が生じている。
一方、持続可能な医療の提供に向けては、地域での医療連携が不可欠。かかりつけ医と専門医が役割を分担して連携を強化し、適切なタイミングで患者を紹介、高度な治療を提供した後、再びかかりつけ医へ逆紹介して患者ケアを継続するというワークフローを、いかに効率よく回すかが課題となっている。
図1:帝京大学医学部附属病院が取り組む実証実験の概要。紹介患者の受け入れから退院調整までの患者ワークフローをITシステムで効率化する(出典:帝京大学医学部附属病院)拡大画像表示
今回の実証実験ではまず、紹介患者の受付・退院調整業務をデジタル化し、前方連携から後方連携まで受け入れ状況をワークフローで一元管理する仕組みを構築する(図1)。AI-OCRと電子ペーパーを活用して院外からの情報をデジタル化し、電子カルテや地域医療連携情報システムとデータ連携させる。2重入力の解消などにより業務効率化を図る。
加えて、富士通Japanの病院経営支援サービス群を活用し、医事システムと電子カルテのデータから紹介患者や連携施設の動向を可視化して連携強化すべき施設を分析する。さらに実際に施設を訪問することで、地域連携の強化にもつなげる。訪問記録や結果はSalesforceの「Agentforce 360 Platform」に登録・蓄積し、紹介実績の動向分析や施策立案に活用する。
今後は電子カルテとの連携範囲を拡大し、紹介患者受け入れ後の治療プロセスも含めた患者ワークフロー全体の一元管理を目指す。同病院は今回構築する仕組みを体系化し、他の医療機関や地域への横展開を推進する方針である。
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