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三井物産、生成AIとRPAで年間1985時間を削減、貿易書類入力や報告書作成を自動化

2026年3月23日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

三井物産(本社:東京都千代田区)は、生成AIを利用し、貿易関係書類を読み取って業務システムへと入力する業務や、報告書を作成する業務など、これまで人手に頼っていた業務を自動化した。これにより、業務工数を年間で1985時間削減した。システム導入などを支援したアルティウスリンクが2026年3月23日に発表した。

 三井物産は、全社的に生成AI「Microsoft 365 Copilot」の利用が進んでおり、社員の利用率も高かった。しかし、検索や文章生成といった使い方に限られており、生成AIの出力をそのまま業務フローとして連動させた形の効率化を求めていた。また、通常の業務をやりながら業務改善の検討やツールの開発を進めることが難しく、このための学習・検討負荷を軽減することや、人材育成・内製化体制の構築を求めていた。

 今回、貿易関係書類を読み取って業務システムへと入力する業務や、報告書を作成する業務など、これまで人手に頼っていた業務を自動化した(図1)。生成AIは書類内容を構造化するのは得意だが、操作を実行することはできないので、CopilotやAI Builderの手足となって働く「Power Platform」を業務内容に応じて導入した。

図1:三井物産が取り組んでいる生成AIによる業務効率化の概要(出典:アルティウスリンク)
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 例えば、貿易関係書類の入力業務では、PDFファイルの内容を読み取って突合処理を実施し、業務システムへの登録が必要である。今回の自動化では、PDFファイルの格納をきっかけにPower Automateのフローが自動で起動し、AI Builderで書類を読み取って登録に必要な項目を抽出し、これをデータベースに自動で登録する仕組みを構築した。

図2:Power Automateと生成AIを組み合わせた業務自動化の概要(出典:アルティウスリンク)
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 Power Automateを要として、作業完了の通知、チェックが終わったファイルやデータの移動、指定するシステムへ入力・登録する作業を自動で実行する仕組みである(図2)。途中工程でユーザーによる項目のチェックやツールの制御もできるよう、Power Appsで作成した画面から修正や承認ができるようにした。ユーザーが必要に応じて目視や手動操作の制御を担っている。

 構築したツールの利用回数や効果(削減時間)などの状況もビジネスインテリジェンスツールの「Power BI」で可視化している。リリース間近の案件を含めると、2026年3月期には年間累計1985時間の業務工数削減を見込んでいる。

 また、三井物産は、将来的に内製でメンテナンスや開発まで一貫して自走できるようになることを目指し、勉強会や毎週の「育成支援」を実施している。育成支援は、具体的な案件の開発を通じたハンズオン(個別指導)形式で行っている。実際に手を動かして「ここで詰まった」、「これが分からない」という具体的な課題を持ち込み、その場で解決策を一緒に考えながらツールを構築する。これにより、部内のメンバー4人がCopilot、AI Builder、Power Platformを活用できるようになった。

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