[市場動向]

SpacidとJAXA、衛星測位と電子署名で位置・時刻を証明する共同実証を開始

2026年6月23日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

Spacidと宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2026年6月22日、「特定の場所で、特定の時刻に取得したデータであること」を証明する「みちびき空間証明システム」の実証を始めると発表した。例えば、写真の撮影場所と撮影時刻を改竄していないことを、スマートフォンアプリだけで証明できるようになる。全球測位衛星システム(GNSS)の一種である準天頂衛星システム「みちびき」の送信データと電子署名技術を組み合わせて実現する。

 SpacidとJAXAは、「特定の場所で、特定の時刻に取得したデータであること」を証明する「みちびき空間証明システム」の実証を始める(図1)。写真(撮影場所と撮影時刻)や測定データ(測定場所と測定時刻)を改竄していないことを、スマートフォンアプリだけで第三者に対して証明できるようになる。全球測位衛星システム(GNSS)の一種である準天頂衛星システム「みちびき」から受信したデータと、既存のタイムスタンプの仕組みを組み合わせて実現する。

図1:衛星測位と電子署名で位置・時刻を証明する「みちびき空間証明システム」の概要(出典:Spacid、宇宙航空研究開発機構)
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 2024年4月には、前提となる信号認証サービスを始めている。衛星が送信するデータの一部に電子署名を施すことで、衛星から受信したデータが改竄されていないことを検証できるサービスである。衛星になりすまして偽りの衛星データを送りつけて間違った位置を認識させる攻撃を検知しやすくなる。利用にあたってはこれまで、電子署名の検証機能を持つ受信専用端末が必要だった。

 今回の空間証明システムは、信号認証サービスによって真正性が担保された受信データをもとに位置を計算し、その位置と時刻の情報を含めて写真データや測定データなどに署名を施す。これにより、写真データや測定データに対し、内容の真正性に加えて取得場所と取得時刻も証明できるようにする。このためのシステム要素として、スマートフォンアプリなどの端末側ソフトウェアのほかに、地上で稼働するインフラ設備を構築する。JAXAが地上インフラを、Spacidが端末側ソフトウェアをそれぞれ担う。

 主な活用想定シーンは、以下の通りである。

  • 物流:置き配の完了確認、海外物流における貨物の状態・移転の記録
  • 農業:農作物の産地証明への活用
  • 建設・保全:施工・点検記録や完了検査におけるデータの真正性担保
  • 防災:災害現場で取得された情報の信頼性担保
  • 金融:位置情報を付加したキャッシュレス決済への活用
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