Scalarは2026年8月6日、分散台帳ミドルウェアの新版「ScalarDL 3.14」を発表した。データの正しさを検証するために必要な情報を維持したまま、不要になったメタデータを自動的に消去する機能を新たに備えた。長期運用にともなうストレージ使用量の増加を抑える。
Scalarの「ScalarDL」は、ブロックチェーンと同様にハッシュチェーンの仕組みでデータの改竄を検知する分散台帳ミドルウェアである。ただし、不特定多数のノードによる合意形成を必要とせず、少数の管理ドメイン間でデータを照合する方式を採り、RDBやNoSQLなど既存のデータベースと組み合わせて動作する。既存のデータベース自体を改変することなく、データの改竄を検出可能なデータベースシステムを実現する。金融機関などが証拠保全が重要なシステムで採用している(関連記事:分散台帳ミドルウェア新版「ScalarDL 3.12」、SQLインタフェースを追加しJava開発を不要に)。
一方、システムを長期間運用すると、改竄の検知やトランザクションの正しさを保証するために生成するメタデータが継続的に蓄積する課題があった。大量のトランザクションを処理するシステムでは、このメタデータの増加がストレージコストや運用負担の増大につながる。
新版のScalarDL 3.14では、データの正しさを保証するうえで不要なメタデータを自動で消去する機能を追加した。消去の対象は、ScalarDLの中核コンポーネントである「ScalarDL Ledger」が管理するトランザクションログと、Ledgerとは別の管理ドメインでデータを照合し改竄検知の精度を高める「ScalarDL Auditor」が管理するリクエストログである。データの検証に必要な情報は維持するため、改竄検知の仕組みを保ったままメタデータの保存量を抑えられる。既存のScalarDL環境に蓄積したメタデータを消去するツールも提供する。
今後は、ScalarDLが管理するデータのライフサイクルを管理する機能を強化する。古いデータや利用頻度の低いデータをより安価なストレージへと移動する仕組みなどを提供し、保存期間や利用頻度に応じて保存先を選べるようにする。
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