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[インタビュー]

蓄積したコンテンツをAI活用の推進力に─BoxのCIOが語る、AIの力を引き出す情報管理基盤の姿

米Box Global CIO ラヴィ・マリック氏

2026年8月27日(木)森 英信(アンジー 代表取締役)

生成AIから自律的なAIエージェントへと、企業情報システムが扱う対象が広がりつつある。エージェントが業務で価値を発揮するには、推論の素材となる非構造化データをどこに置き、どの権限で参照させるかという情報基盤の設計思想が問い直される。クラウドコンテンツ管理で知られる米Boxは、自社プラットフォームをAIエージェントの実行基盤として再定義しつつある。同社のGlobal CIOを務めるラヴィ・マリック氏に、Box自身の社内実践やCIOへの示唆を聞いた。

コンテンツを基盤に、AIを呼び込む

 米Box(ボックス)は創業から20年を経て、自らを単なるファイル共有・ストレージサービスではなくIntelligent Content Management(ICM)プラットフォームと位置づけている。コンテンツと非構造化データに焦点を当てる軸は一貫しつつも、そこにAIをどう組み合わせるかが、ここ数年の最大の注力領域だ。

 2026年4月にはエージェント機能「Box Agent」の一般提供を開始し、業務固有のエージェントを管理者が構築・展開できる「Box AI Studio」、コンテンツ中心のワークフロー自動化を担う「Box Automate」と合わせて、エージェント時代の業務基盤を整えつつある。

 同社Global CIOのラヴィ・マリック(Ravi Malick)氏(写真1)は「われわれのアプローチは『コンテンツをAIのところへ持っていく』のではなく、『AIをコンテンツのところへ連れてくる』という発想です」と切り出した。生成AIが企業で価値を生むかどうかは、契約書・提案書・社内文書といった自社固有の非構造化データにいかにアクセスできるかにかかっている、というのが論旨である。

写真1:米Box Global CIOのラヴィ・マリック氏

 モデルがハルシネーション(事実でない情報を生成する現象)を起こす主な要因に情報不足がある。推論時に十分なコンテキストを与えられていない場合などが典型的だ。「適切な情報にアクセスできなければ、AIは誤った事実を作り上げてしまいます」とマリック氏は説明する。エージェントは生成AIを基盤とし、そのアウトプットの質はさらに土台となる情報基盤の整備度合いに比例する。

 そうなると、これまで漫然と蓄積していたような非構造化データは、単なる保管対象から、AIに推論させるための重要な資産へと位置づけが変わる。「コンテンツこそビジネスを動かすインテリジェンスそのもの」というマリック氏の発言は、自社のコンテンツ戦略を見直すことの必要性を示唆している。

●Next:Box社内のAI活用の取り組み

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BOX / AIエージェント / コンテンツ管理 / 文書管理 / ワークフロー / 非構造化データ / クラウドストレージ

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