日本IBMは2008年12月19日、メインメモリーにデータを格納し、高速なデータベース処理を実現するインメモリーデータベース管理ソフトウェアの新製品「IBM solidDB V.6.3」を同日より提供すると発表した。また、「IBM solidDB Universal Cache」も同日より提供開始する。
「インメモリー・データベース」は、ハードディスクにデータを格納する一般的なデータベース管理ソフトウェアに比べ、アクセス速度が速いメイン・メモリーにデータを格納することでデータベース処理速度を飛躍的に向上できるソフトウェア。
新製品「IBM solidDB V.6.3」は、従来のインメモリー・データベース管理製品に比べ、50%以上処理能力を向上させ、一般的なディスク型データベース管理製品に比べると15倍以上の処理能力が見込まれるという。
従来のインメモリー・データベース管理製品は、トランザクションを1つずつ順番に処理していたが、IBM solidDB V.6.3はスレッドの単位で複数のトランザクションを同時に並列処理するよう設計を改良したため、より高速な処理ができるようになったという。
「IBM solidDB Universal Cache」は、ディスク型データベースと組み合わせて使用するインメモリー・データベース製品で、アクセス頻度の高いデータを格納し全体の処理速度を向上させる役割を担う製品。
最大の特長は、IBMのデータベース管理ソフトウェア「DB2」や「Informix Dynamic Server(IDS)」に加え、「Oracle」「Sybase」「Microsoft SQL Server」など、他社のデータベース管理ソフトウェアとも組み合わせることができる点。
また「IBM solidDB Universal Cache」とデータベース管理ソフトウェア間の同期設定や、処理が正常に行われているかの監視などを簡単に行うことができことも特長の1つ。
本日発表製品の使用料金の詳細は、以下のとおり。
IBM solidDB V.6.3 : 3,240,000円(税抜)より(100VUの場合)
IBM solidDB Universal Cache : 4,025,000円(税抜)より(100VUの場合)
なお、VU(Value Unit)とは、ソフトウェア・ライセンスの機種別サーバー単位課金のこと。100VUのライセンス料金には「パスポート・アドバンテージ・エクスプレス」(PAX)が適用され、1年間のバージョンアップ・保守料金が含まれる。
本日発表の製品は、IBMおよびIBMビジネスパートナー経由で販売される。
同社は、2006年2月に企業における情報の戦略的活用の最大化を支援するため、インフォメーション・オンデマンド(IOD)という企業の情報戦略に関する新しいコンセプトを提唱した。IODを実現したIT基盤を活用すると、必要なアプリケーションが必要に応じて必要なデータにアクセスできるようになり、膨大な量の情報を効率的に活用できるようになる。本日発表の新製品は、IODをさらに補完し、企業全体におけるリアルタイムな情報活用をより効果的に行うことを可能とするという。
日本IBM
http://www.ibm.com/jp/ja/