ネットマークスは2009年4月30日、指紋認証などのバイオメトリクス認証デバイスや接触/非接触ICカード認証をはじめとする複数の認証デバイスを組み合わせることで情報ネットワークにおけるセキュリティを強化する認証基盤ソフトウェア「SecureSuiteV(セキュアスイート ファイブ)」を開発し、5月より販売を開始すると発表した。同社は今後、本製品と認証デバイスなどを組み合わせたソリューションを金融をはじめとするエンタープライズ市場に向け展開し、2年間で5万ライセンスの販売を目指す。
「SecureSuiteV」は、指紋などの生体情報を利用するバイオメトリクス認証デバイスや、社員証などの接触/非接触ICカードを用いることでWindowsドメイン認証を行う際の本人認証を強化し、なりすましを防止するためのソフトウェアである。本製品は、ユーザーの属性やアクセス権などの情報を一元管理する「Active Directory」で設定された組織単位 (OU)やコンピュータの単位でカード認証や指紋認証を使い分けることができる。
また「SecureSuiteV」のパスワードマネージャー機能により、連携するアプリケーションへ自動的にID/パスワードを入力することができる。これによりユーザーは各アプリケーションの認証にかかる手間を省くことができ、利便性を損なうことなくセキュリティレベルを強化することが可能となる。加えて、ITシステム管理者はパスワード忘れなどに対する管理や運用においての負担軽減が期待できる。
本製品は、Windowsドメイン認証だけでなく、リモートデスクトップ接続やCitrix XenAppの認証に対応しており、シンクライアントの認証にも利用できる。
「SecureSuiteV」の特長は次のとおり。
- マルチデバイス認証 : ICカードや指紋認証デバイスなどいろいろな種類の認証デバイスを利用することができる。
- マルチメソッド認証 : いくつかの認証デバイスを組み合わせて構成した認証方式を、ひとつのアカウントに対して複数割り当てることができる。管理者によって複数の認証方式を割り当てられたユーザーは、ログオン時に任意の認証方式を選択し、認証を行うことができる。
- Active Directoryライトウェイトディレクトリサービス(AD-LDS)の採用 : 従来のSecureSuiteXS(2005年4月より販売)では、Active Directoryの拡張された独自スキーマへアカウントの認証情報を格納していたが、SecureSuiteVはそれらのアカウント認証情報をAD-LDSに格納することで、従来のActive Directoryとの親和性を維持しつつ、稼働中のActive Directoryへのスキーマ拡張やサービスのインストールの必要無しに導入することが可能になる。このため、一部門だけの導入に対しても容易に対応が可能となる。また、管理者はアカウントの管理業務を専用のコンソールではなくActive Directoryの管理コンソール『ユーザとコンピュータの管理』を利用できるので、シームレスなアカウント管理環境が実現。Active Directoryと同様にドメイン、OU、ユーザー、コンピュータのおのおのの単位で認証方法やポリシーを柔軟に適用でき、例えば個人情報を操作する特別なPCのみ認証条件を強化するといった使い方が可能になる。
- ログの集中管理 : ログは専用ログサーバに集約されるので管理者は専用GUIツールからユーザーのログオンやログオフといった状況を簡単に検索 / 表示 / CSV抽出できる。
- 新OS対応 : Windows Server 2008、Vista、64bitOSに対応。
- リモートデスクトップ接続対応 : Windows Terminal Serviceへのリモートデスクトップ接続やCitrixXenAppのICA接続にも対応しているので、シンクライアント環境においてもICカードや指紋センサーを用いた認証が可能。
- パスワードマネージャー : アプリケーションやWebサイトの認証にID / パスワードを自動入力でき、ユーザーの利便性が向上する。
対応デバイスは次のとおり。
- NTTコミュニケーションズ : 接触・非接触ICカード「eLWISE」
- ソニー : 非接触ICカード「FeliCa (フェリカ)」
- サイレックステクノロジー : 真皮指紋センサー「S1」
500ユーザー (サーバライセンス、ユーザライセンス) の参考価格は、440万円~(税抜)。
SecureSuiteV(セキュアスイート ファイブ)
http://www.netmarks.co.jp/product/ssv/ssv.html
ネットマークス
http://www.netmarks.co.jp