[ユーザー事例]

情報収集から案件発掘まで─ビジネスパーソンのソーシャルメディア活用術

ネット技術8つの最前線 Part1

2009年8月17日(月)加藤 恭子(ビーコミ 代表取締役)

IT系企業のマーケティングをお手伝いするという仕事柄もあり、mixiやFacebookといったSNS、最近話題のTwitterなど、国内外の新しいソーシャルメディアを積極的に使ってきました。その感想はというと、魅力的だし実用性も十分! ここでは、私が仕事の面で手放せなくなったTwitterとLinkedInを例に、実体験を紹介します。

Twitter
メモ代わりや情報収集など国内で52万人超が登録

 あのオバマさんもハマッています──。こんなフレーズに続いて、見知らぬ小浜さんが登場するテレビCMがありましたが、正真正銘の米大統領、バラク・オバマ(Barack Hussein Obama II)さんが使っているのはTwitterです。選挙の際に話題になり、現在も活用中です。最近ではイラン大統領選後の抗議活動に使われているとの報道があったので、Twitterの名前を聞いたことがある読者も多いでしょう。

 Twitterは、短い文章(最大140文字)で情報を発信する「マイクロブログ(ミニブログ)」と呼ぶ米国生まれのソーシャルメディアです。2006年のサービス開始当初はネット分野の流行に敏感な一部の人たちが使い始めたに過ぎませんでした。それが今年4月には米国で1708万人、日本でも52万人にユーザーが拡大しています(ともにネットレイティングス調べ)。

 Twitterの活用方法は色々とあります。テレビを見て感じたことや、今この瞬間にやっていることを発信する人がいれば、フッと頭に浮かんだアイデアをメモ帳代わりに書き込む人もいます。その様はちょうど心の中の「つぶやき(Tweet)」を声にしているようです。Twitterが備える、誰かのつぶやきを追いかける(フォローする)機能を使って、国内外の著名人のつぶやきを楽しむ人も少なくありません。

 筆者がTwitterを使う主な目的は、情報収集とコミュニケーションの充実です。情報収集について言えば、ベンチャー企業社長、IT関連の記者やアナリスト、著名ブロガー、海外のニュースサイトなど約130件をフォローしており、それぞれの最新のつぶやきが私のパーソナルページに時系列で一覧表示されています(図1-1)。

図1-1 Twitterの個人ページ
図1-1 Twitterの個人ページ

 これだけでは、ブログやネット掲示板などの延長だと思われるかもしれません。ところが、Twitterには多くの人が思わずハマってしまういくつかの要素が秘められているのです。

「ゆるい感じ」が新しい、1人ぽっちの残業に安心感

 私がTwitterに登録したのは日本語化される前の2007年のこと。もっとも、このときは登録したまでで、頻繁につぶやき始めたのは、周りにTwitterを使う仲間が増えた昨秋からです。そして本格的に使うようになると、Twitterの大きな特徴が見えてきました。それは一般的なSNSと違った「ゆるい感じ」です。

 「SNSで築いた友人関係を途中で切れない」「友人の日記を読んでおかなければ」「ああ、早く返事をしなければ」─。mixiに代表されるSNSでは、こうしたプレッシャーに襲われ、俗に言う「SNS疲れ」と呼ばれる症状を招くことがあります。

 これに対してTwitterは、誰のつぶやきでも自由にフォローできます。フォローする際、基本的に相手方の許可が必要なく、自分のつぶやきをフォローしている相手にフォローを返さなければならないという煩わしさもありません。フォローした相手のつぶやきに興味がなくなれば、フォローを解除(リムーブ)するのも自由です。この「ゆるい感じ」はSNS疲れの経験がある人たちにも受け入れられていると思います。

 特徴とは言いにくいのですが、Twitterを使って強く感じたことが、もう1つあります。読者の皆さんと同様、筆者も仕事が立て込むと残業を余儀なくされます。ひっそりと静まり返った事務所で1人で作業をするのは何かと心細いもの。そんなときにパソコン画面の片隅に知り合いのつぶやきがポップアップ表示されると、妙な安心感に包まれるのです(図1-2)。深夜の自分のつぶやきに対して、知り合いから即座に反応が返ってきた時には、「みんなも頑張ってるんだ。私ももう少し頑張ろう」という気持ちにさえなります。

図1-1 Twitterの個人ページ
図1-2 Firefoxのアドイン機能を使うと、最新のつぶやきがブラウザの右下にポップアップで表示される

LinkedIn
公開履歴書として活用、案件獲得や転職成功の例も

加藤恭子氏
写真1:数々のソーシャルメディアを駆使する加藤恭子さん

 SNS特有とも言える利用者同士のつながりの強さに着目し、最初からビジネス用途を狙ったSNSも登場しています。その典型例がLinkedIn。これはネットにありがちな匿名文化と一線を画し、原則本名でユーザー登録するSNSで、ユーザーが自身の略歴を登録するだけでなく、その同僚や顧客が推薦文を掲載できるのが特徴の1つです。

 これが「公開履歴書」として機能し、登録すると外資の人材紹介会社などからかなりの確率でアプローチがあります。

 筆者も「これは使える!」と実感する経験を何度かしています。特に印象に残っているのは仕事の紹介です。LinkedInに登録後のある日、まったく面識がないヨーロッパ在住の女性から「IT企業向けのマーケティング会社を探していて、ご連絡しました。まずはSkypeで話しませんか?」といった趣旨のメールをいただきました。LinkedInのプロフィールを見て、相談を持ちかけてくれたそうです。

 同じく面識がない相手からの仕事依頼に応じるべきかどうか判断する際に、LinkedInが役立ったこともあります。失礼ながら、依頼主のプロフィールをLinkedInで拝見したところ、短期間で会社を転々としていました。少し心配になったので、略歴に書かれている会社名を手掛かりに、依頼主を知っていそうな筆者の知人を探して人物像を聞き出すと、あまり評判が良くない方だったので仕事をお断りしました。

 LinkedInを転職活動に使うユーザーも少なくないようです。現に筆者の知人にも何人かおり、キラッと輝く白い歯と笑顔が印象的な写真をLinkedInのプロフィールに掲載したり、同僚や元上司に推薦文の掲載を依頼したりと、自己アピールに余念がありません。100年に1度といわれる世界不況の煽りでリストラされた友人の中には、LinkedInで新たな就職先を見つけた人もいるんですよ。

加藤 恭子
ビーコミ 代表取締役
 

[特集]ネット技術8つの最前線

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Twitter / LinkedIn / SNS / マーケティング

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