日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)と日本オラクルは2009年8月24日、東京都千代田区の日本HP本社内に、次世代データセンターの基盤になるミッション・クリティカル(基幹)システムに求められる技術を体感できる「HP Oracle次世代情報システム基盤ソリューション・センター」を設立すると発表した。
昨今、開発環境やメールなどのサービスを、安く・簡単に・すばやく提供するというデータセンターの需要が拡大する一方で、社内で利用する基幹システムのデータセンターでは、高いセキュリティ環境、ビジネスの変化への迅速な対応、24時間365日のサービス提供などが求められている。
「HP Oracle次世代情報システム基盤ソリューション・センター」は、両社のオープンな技術を基盤として、仮想化やその他の技術を駆使し、次世代データセンターに求められるシステム要件をより高いコスト効率で実現する技術を、顧客に実証し、その体験を通して、次世代データセンター構築をサポートする施設である。
同センターでは、日本HPが提供するオープン・プラットフォーム環境で長期にわたり培ってきたシステムの仮想化、自動化、自律化のソリューション活用を前提に、「Oracle Database 11g」のデータ管理、運用管理「Oracle Enterprise Manager」の技術などを組み合わせて、企業構内で構築する基幹情報システムの基盤の技術実証をデモンストレーションする。
同センターは、業界屈指のデモンストレーション専用施設として2009年5月、HP東京・市ヶ谷に開設された「HP実機体感センター」内に開設され、同センターに設置された「HP Integrity Superdome」および 「HP Integrityブレードサーバー」を含む、100台以上の物理サーバー環境の一部を組み合わせて構築されている。「Oracle Database 11g」仮想化環境を構築し、各デモンストレーションシナリオに合わせて提供する。
「HP Oracle次世代情報システム基盤ソリューション・センター」で体感できる実証デモンストレーションは、次のとおり。
- 止まらない、止めずに済むサービス基盤
CPUやメモリーの障害を例にとり、これらがプラットフォーム上で自動的に切り離された場合、「Oracle Database」も自動的にリソースの変更を検知し、止まることなく処理が継続される様子を見ることができる。また、故障した部品をサーバーや「Oracle Database」のインスタンスが稼働したまま交換可能であり、止まらないというだけでなく、止めずに済むサービス基盤が実現できることを体感できる。 - ビジネスの変化に瞬時に適応するコンピューティング環境
急激なアクセスの増加を例にとり、自動的にCPUなどのリソースが追加される様子や、あらかじめ増設するハードウェア部品をシステム内に搭載しておき、不足した時点から利用可能で、かつその時点からの課金となる、HPの自律化、仮想化の仕組みを実機で体感できる。このとき「Oracle Database」も仮想化サーバー上のリソース変動に対応し、リソースに応じたデータベースの環境を自動的に設定することが確認できる。 - 仮想化・自動化時代のシステム管理
次世代情報システム基盤では、仮想化システム上で自動的にリソース変更が実施され、「Oracle Database」も自動的にそれに追随して動作を続ける。このときどのようにシステム管理を行うことができるのか、「Oracle Enterprise Manager」を使用したデモを通じて体感することができる。次世代情報システム基盤では、管理者は何が起こっているのか不安を感じる必要がなく、安心して本来の仕事に専念することができる。
日本HPと日本オラクルの両社は「HP Oracle次世代情報システム基盤ソリューション・センター」での実証を介して、大量のトランザクションやデータ量を擁し、止まることが許されない基幹システムを保有する企業に向けた提案活動を協業して行うとしている。
日本ヒューレット・パッカード
http://www.hp.com/jp/
実機体感センター
http://www.hp.com/jp/taikan/