[市場動向]

開発投資が一巡したアプリをSaaSと銘打ち安価に提供─日本ユニシスなど5社が「SaaSパートナーズ協会」を設立

2009年12月2日(水)IT Leaders編集部

エリアビイジャパン、きっとエイエスピー、日本ユニシス、マジックソフトウェア・ジャパン、ユニアデックスの5社は2009年11月20日、SaaS市場の振興と販売業者の育成などを目的とする「SaaSパートナーズ協会」の設立を発表した。12月1日から活動を開始する。

 SaaSビジネス・エコシステムSaaSパートナーズ協会の主な目的は、中小企業や地方企業に対してSaaSの利用促進を図ること。業務アプリケーションをSaaSで提供したいベンダーと、どのSaaSを利用すればいいのか分からないユーザー企業を結ぶための流通基盤「SaaSビジネス・エコシステム」を構築し活動を展開する。

 同協会はSaaSを仲介する“問屋”として機能し、システムインテグレータや中小企業診断士といった“店舗”経由でユーザー企業に販売する。「流通体系を分業化することで、ユーザー企業に対して緻密なコンサルタントやサポートが可能になる」(きっとエイエスピー 代表取締役社長 松田利夫氏)という。

 多種多様なSaaSを取り揃えることに主眼を置く。そのため、ベンダーが自社のデータセンターで提供するものや、Amazon EC2経由で提供するものなどを、SaaSビジネス・エコシステムから一元的に利用できるよう工夫を凝らした。きっとエイエスピーが提供するSaaS基盤「KSDN」を利用することで、自社運用型のアプリケーションをSaaS形式に変換して提供することも可能だという。「優れた業務アプリケーションを開発しても、広告費などをかけられず思うように販促できていないベンダーは多い。

 この点で、SaaSとして提供できるSaaSビジネス・エコシステムは容易に販売網を広げられる。開発投資が一巡した既存アプリケーションを再活用すれば、競争力のある価格設定も可能だ」(同)とベンダーにとってのメリットを強調した。

 SaaSビジネス・エコシステムの商用サービス開始は2010年春を予定する。

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