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リバーベッド、仮想アプライアンス版のWAN高速化装置「Virtual Steelhead」を販売

2010年7月23日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

リバーベッドテクノロジーは2009年7月23日、仮想アプライアンス版のWAN高速化装置「Virtual Steelhead」の出荷時期と価格を発表した。2010年8月下旬に販売開始する。価格は、帯域と同時TCP接続数に応じて変わり、同一ライセンスを適用したハードウエア・アプライアンス版の8~9割程度に設定。エントリ・モデルの価格は、50万円程度になる。

Virtual Steelheadは、WAN高速化装置「Steelhead」の仮想アプライアンス版。Steelheadのソフトウエア機能(OSはRiOS)を、サーバー仮想化ソフトであるVMware ESX/ESXi 4.0上で動作する仮想サーバー機の形態に固めた。仮想サーバー向けの管理ツールを介して、クラウド・サービスへのプロビジョニング(配備)や性能拡張を実施できる。

 契約更新だけで性能を100倍に拡張

Virtual Steelheadは、ハードウエア・アプライアンスのSteelheadと比べて、大きく2つの特徴がある。特徴の1つは、同一条件のライセンスを適用した際に、価格が1~2割安価になる点。もう1つの特徴は、ライセンス・アップグレードの幅が、エントリからハイエンドまで全11段階(Steelheadでは最大3段階)と広い点である。なお、Virtual Steelheadのハイエンド・モデルは、Steelheadのミッドレンジ・モデルに相当する。

ハードウエアを備えないため、エントリ・モデル「v250-L」(1Mビット/秒、同時30接続)から、ハイエンド・モデル「v2050-H」(90Mビット/秒、同時6000接続)まで、約100倍の性能差を、ライセンス契約の更新だけでアップグレードできる。一方、Steelheadの場合、2~3倍を超えて性能を拡張するためには、異なるハードウエアを用いたモデルに置き換える必要があった。

2010年末には、主にサービス事業者向けの新たなライセンス形態として、Cloud Steelhead(仮称)と呼ぶ、利用形態に応じて課金するライセンスを用意する計画がある。課金の基準は未定だが、トラフィック量や利用時間、高速化の効果といった各種の条件を想定している。

ブランチ・オフィスからクラウドまで用途が多様化

仮想アプライアンス版であるVirtual Steelheadを提供することは、2009年12月9日にアナウンスしていた(関連記事)。WAN仮想化製品の形態を多様化させる製品として、ハードウエア・アプライアンス版と住み分け、共存させていく考え。例えば、データ・センターにVirtual Steelheadを配置し、小規模なブランチ・オフィスにSteelheadを配置する、といったシナリオを描く。

Steelheadはこれまで、仮想アプライアンスとは異なるアプローチで、仮想化への対応を進めてきた。具体的には、RSP(Riverbed Steelhead Appliances)と呼ぶオプション機能により、Steelhead上でVMware仮想サーバーを動作できるようにした。ブランチ・オフィス向けの仮想サーバー環境として、DHCP/DNSサーバーやセキュリティ機能などをWAN高速化装置に同居させることができる。

なお、Steelheadの製品ジャンルであるWAN高速化とは、WANで接続した遠隔拠点間の通信を、構内LAN並みの体感性能で使えるようにする技術分野である。対向型に設置した装置間、または専用のモバイル・クライアント・ソフトとの間で通信を最適化し、ネットワーク遅延によるアプリケーション性能の劣化を回避する。具体的な手法としては、データ・キャッシュやTCPコネクション集約などのネットワーク高速化を中核に、ファイル共有(CIFS/NFS)やExchange Serverなど特定アプリケーション向けのプロトコル最適化などを組み合わせている。

VMware vSphereの管理ツールからVirtual Steelheadをメンテナンスしている画面
写真 VMware vSphereの管理ツールからVirtual Steelheadをメンテナンスしている画面
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