Web連載の第2回である本稿では、アジャイル開発におけるドキュメントの問題を取り上げる。いつ、どのようなドキュメントを記述し、利用していくかについて述べていく。
アジャイル開発に関する諸原則を定義したといわれる「アジャイルソフトウェア開発宣言」に、「ドキュメントよりも動くソフトウェアを重視する」という記述がある。このことから、「アジャイル開発ではドキュメントを作成しない」という誤解がいまだに存在している。これは大きな間違いである。あくまでもソフトウェア開発に貢献の少ない無駄なドキュメントを省略していく、というのがアジャイル開発が目指すスタイルだ。
もちろん、従来のウォーターフォール型開発におけるドキュメントとは違った考え方が必要になることは間違いない。基本となる考え方は次の3つである。
- コミュニケーションのために利用する
- 必要な事柄は正確に記述する
- 無駄なことはできるだけ省く
以下、アジャイル開発におけるドキュメントの注意点を述べていく。
コミュニケーションのためにドキュメントを利用する
アジャイル開発ではコミュニケーションを重視し、動作するソフトウェアを開発することを目的とする。ウォーターフォール型のように、契約によりフェーズごとにドキュメントを検収対象とし、その完成をもって終了するというわけではない。
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