丸紅は2010年11月12日、仮想化デスクトップサービス「VirtuaTop(バーチャトップ)」を、中堅・中小企業にフォーカスしたプライベートエクイティ投資を核とする総合投資会社アイ・シグマ・キャピタルに導入したことを発表した。また、iPad/iPhoneといったモバイル端末が強力な販促ツールとして普及が進む中、同サービスがiPad/iPhoneへの対応を開始したことも同時に発表した。
「VirtuaTop」は、丸紅が2009年7月より提供している「シンクライアント+仮想化技術+サービス」のそれぞれのメリットを融合させた仮想化デスクトップサービスである。
DaaS(Desktops as a Service)として、サーバ上で運用するデスクトップ環境を必要な台数だけ月額料金で利用できるサービスで、初期導入・運用コスト低減と柔軟かつ安定したデスクトップ環境を実現できる。画面転送により社内環境にアクセスするため、端末側には一切データが残らず、モバイルPCやタブレット型PC/スマートフォンといった端末でも、セキュリティの確保が容易である。
丸紅は、各種サーバ類のみならずクライアント環境もまとめてアウトソーシングできる次のようなサービス需要あるとして、同サービスの活用を展開した。
- 小規模ながら高いセキュリティ性を要望する事業者向けへの展開。
- 昨今普及が進む、タブレットPCやスマートフォンといったモバイル端末への対応。
小規模事業者向けに、ファイルサーバ、ADサーバ等オフィスのIT環境をパッケージ化
アイ・シグマ・キャピタルは、次のような経営課題を抱えていた。
- その業務の秘匿性から、大企業並みの情報セキュリティを要求されている一方、専任の情報システム担当者を配置するには規模が小さい。
- 高セキュリティで、効率的な運用が可能なIT環境の整備が必要。
- 業務内容上、投資先への出張や常駐を頻繁に行うため、外出先とのタイムリーかつセキュアな情報共有の実現が必要。
これに対し、VirtuaTopは初期投資を最小限に抑えつつセキュアなシンクライアント環境を利用できるため、まさに同社のニーズと合致。シンクライアント環境ではファイルデータ等をセンターにて集中管理するため、社内だけでなく社外からリモートアクセスする場合においても高度なセキュリティを担保できる。これにより、外出先においても安心して社内のデスクトップ環境を利用でき、社員同士のタイムリー情報共有も実現した。
今回の導入で特徴的な点は、VirtuaTopを中心にファイルサーバやADサーバなど、オフィスのIT環境に必要なインフラがパッケージとして提供されている点である。デスクトップ環境からファイルサーバまでまとめてアウトソーシングされるため、限られた要員でも効率的な運用管理を可能とし、災害対策としても非常に有効である。また、その後のサポートもワンストップで行われ、万一のトラブル時も迅速なサポートを受けられる。
iPad/iPhoneへの対応開始、さらにAndroidへの対応も予定
今回「VirtuaTop」は、iPad/iPhoneからの接続にも対応し、利用端末の柔軟性を高めた。
iPad等のタブレット型PCの業務利用事例が増加する一方で、アプリケーションの制約、社内システムとの連携、セキュリティの確保といった課題が残っている。丸紅は、社内のクライアント環境に画面転送方式で接続する「VirtuaTop」が、こういったタブレット型PCの導入障壁を全て取り払う有効なツールになるとし、Android端末にも順次対応する予定だとしている。なお、アイ・シグマ・キャピタルの事例では、iPad/iPhoneへの対応機能は使用されていない。
VirtuaTop
http://www.virtuatop.jp