日本オラクルは2010年11月25日、統合基幹業務アプリケーションの最新版「Oracle E-Business Suite R12.1.3」を提供開始すると発表した。「Oracle E-Business Suite」は、単一または複数企業、さらにグループ企業全体における基幹業務(会計、人事、販売、購買、調達、生産、在庫、物流、設備等)を包括的に一元管理する製品である。最新版では、日本企業の成長基盤のひとつである新興国市場に対する製造業のグローバル対応業務で求められている新しいビジネス要件に適応するさまざまな機能の追加と強化が行われている。
「Oracle E-Business Suite R12.1.3」での新興国市場に向けた製造業向けグローバル対応業務に関する主な強化点は以下のとおり。
- グローバル受注管理:
輸出規制に準拠しない不正もしくは不適切な取引や輸配送を防止するため、輸出入取引管理機能「Oracle Global Trade Management」と受注管理機能「Order Management」と連携するための機能「ITM Adapter」を拡張。これにより、受注、出荷と輸配送の各業務プロセスに輸出規制対応のための業務プロセスが連携し、受注から輸配送業務に至るまで、グローバルで統合的に管理できる。 - グローバル生産管理:
工場における生産活動効率と設備稼働率を可視化する生産現場の情報分析機能「Oracle Manufacturing Operation Center」を拡充し、電力消費量をもとにCO2排出量を可視化するための機能「Sustainability Sensor Data Management」を追加。これにより、生産エネルギー効率、製品消費エネルギーやCO2排出量を管理、分析することができる。 - グローバル購買管理:
輸送ルートと手段による物流コストを管理する荷揚コスト管理機能「Oracle Landed Cost Management」と購買調達管理機能「Oracle Advanced Procurement」との連携が強化され、材料購買検討の段階で荷揚コストまで含めたシミュレーションが可能である。 - グローバル設備管理:
設備保全管理機能「Oracle Asset Lifecycle Management」にグローバルに展開するGIS(Graphic Information System: 地理情報システム)ベンダーであるEsri(エスリ)社のGIS製品との連携機能を追加。これにより新興国に導入される自社製品の生産設備や自社拠点設備を地理情報の上で確認し、最適な保守計画の立案と緊急時の迅速で確実な保守作業指示が可能である。 - グローバル人材管理:
新興国の優秀な人材を獲得するために、採用管理機能「Oracle iRecruitment」では候補者の能力や略歴情報の閲覧、検索、比較などができる機能を追加。さらに、採用後の中堅幹部や現地業務の管理者の育成などを行う業績考課管理機能「Oracle Performance Management」と研修管理機能「Oracle Learning Management」の利便性や画面操作性を向上している。各拠点での職務要件に合致した速やかな人材発掘や、グローバル対応業務の実行力強化を実現できる。
日本オラクル
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