アクロニス・ジャパンは2011年10月21日、バックアップ/リカバリソフト「Acronis Backup & Recovery」の新版(バージョン11)を発表した。仮想環境向けの機能などを強化し、効率的なバックアップ/リカバリ作業を支援する。
Acronis Backup & Recoveryはディスクやファイル、仮想マシン単位でバックアップし、物理や仮想環境、ストレージやテープといった違いを意識することなくリカバリできるソフト。これら混在環境を一元管理し、運用を効率化することができる。
新版はLinux OS環境をバックアップできるようにした。物理/仮想環境上のLinux OSイメージをバックアップし、異なるハードウェア構成の物理/仮想環境にリカバリできる。これまではWindows OS環境のみサポートしていた。
事前に設定したポリシーに従い、バックアップデータを別の保存場所へ移動する機能も追加した。一定期間以上保存するデータをディスクからテープに移行したり、遠隔にあるディスクに退避したりできる。バックアップデータの保管場所が分散していても、復元対象となるファイルを一元的に検索する機能も用意する。
そのほか、最大10台の仮想マシンを同時にバックアップしたり、ディスクを別のハードウェアに入れ替えて起動したりする機能も備える。
機能や管理対象の違いなどにより7種のモデルを用意する。スタンドアロン版は3種あり、PCやワークステーションを対象とする「Workstation」の価格は9600円。Linux、Windowsサーバーを対象とする「Server for Linux」「Server for Windows」の価格はともに11万7600円。
複数の端末を一元管理できるモデルは4種。PCやワークステーションを一元管理する「Advanced Workstation」の価格は1万2000円、マイクロソフトの「Windows Small Business Server」向けとなる「Advanced Server SBS Edition」の価格が5万8800円、1ライセンスで1台の物理マシンと同マシン上の4台の仮想マシンをバックアップ対象にする「Advanced Server Edition」の価格は15万円、1台の物理サーバー上に展開する仮想マシンを無制限に運用できる「Virtual Edition」の価格は38万円。
同社は今後、大企業向けにビジネスを展開していくという。代表取締役の村上督氏は、「当社はこれまで、コンシューマおよびSMB向けのビジネスが中心だった。しかし今後、データ量の肥大化や仮想環境のさらなる増加を背景に、バックアップ/リカバリ作業が複雑化する傾向にある。そこでパートナーの協力はもちろん、エンタープライズに精通した人材を増強するなどしてプロジェクト型の案件に注力していく」。