[Sponsored]
[Citrix Cloud Vision 2012 Fallレポート]
ハイブリッド化に向かうクラウドの未来を見据え、オープン戦略を推進するシトリックス
2013年1月10日(木)
Citrix Cloud Vision 2012 Fallレポート Part1 クラウドの業務利用が一般化するとともに、多様な形態のクラウドプラットフォームが普及している。この現状を踏まえると、企業のクラウド環境がハイブリッド化に向かうのは必然であろう。そうした将来を見据えてシトリックス・システムズが提示する答えは「オープンクラウド」だ。2012年11月15日、都内で開催された「Citrix Cloud Vision 2012 Fall」では、クラウドの最新の利用動向や、同社のオープンクラウド戦略などが紹介された。
ハイブリッドクラウド構築・運用の効率化の鍵は“オープン”
2007年から2008年にかけて注目を集めるようになったクラウドコンピューティングは、ITインフラ構築の選択肢として当然のものとなった。
Citrix Cloud Vision 2012 Fallの基調講演において、調査・コンサルティング会社、アイ・ティ・アールのシニア・アナリスト、甲元宏明氏も、「今日の企業で検討課題になるのは、クラウドを“使うか使わないか”ではなく、“どう使えばビジネス上の効果を出せるか”というテーマだ」と指摘した。
このテーマを考えるに際して重要な観点の1つは、インターネットを介して利用する「パブリッククラウド」と社内に構築する「プライベートクラウド」、そして閉域網もしくはインターネットVPNで利用する「仮想プライベートクラウド」といったクラウドのタイプであろう。
ITRが2012年10月に実施した調査の結果から従業員3,000人以上の大企業を見てみると、「導入しており、今後も拡張する」とする回答は、プライベートで42%となっており、仮想プライベートで27.5%、パブリックでも24.6%に上る。
この結果から、クラウドが普及期にあることがあらためて理解できるが、同時にもう1つの課題が浮上してくる。それは、いかにしてハイブリッドクラウドを効率的に構築・運用するかという課題だ。
この課題に対する1つの答えが、オープンソースソフトウェア(OSS)をベースとしたオープンなクラウド技術を選択するということである。
オープンクラウドを推進するシトリックスの戦略と製品
このオープンクラウド路線に明確に舵を切っているのが、シトリックス・システムズだ。同社は、2011年7月にIaaSクラウド構築・管理基盤のCloudStackを提供するCloud.comを買収。2012年4月にはCloudStackのソースコードをApache Software Foundation(ASF)へ寄贈し、Apache CloudStackプロジェクトがスタートした。さらに、Apache CloudStackの商用ディストリビューションとして「Citrix CloudPlatform」をリリースしている。 ASFは2012年11月に「Apache CloudStack 4.0」をリリース。すでに110社以上の企業が同プロジェクトにコードや資金の提供を行っているという。
このようにシトリックスがOSSに積極的に取り組む狙いの1つは、CloudStackを中核としたクラウドエコシステムを形成し、効率的なハイブリッドクラウド環境を実現することにある。講演において米シトリックスでクラウド プラットフォーム グループ プロダクトマーケティング バイスプレジデントを務めるペダー・ユーランダー氏は、OSSの重要性について次のように語った。
「多様なクラウドを効率的に構築し、相互に接続し、サービスを配布するための基盤は、1社だけで実現することはできない。関係企業がOSSコミュニティに結集して、クラウド基盤の整備に取り組む必要がある」
シトリックスは、CloudStackのOSS化以前に仮想化ソフトウェア「XenServer」を提供している。だが、同社がオープンクラウド市場のリーダーである根拠は、これらの製品群だけというわけではない。
ハイブリッドクラウドが具現化したら、ネットワークの複雑性が増すなかで異なるクラウド間の接続性を確保する必要が出てくる。そして、世界各地に分散するクラウド間において、ネットワークのパフォーマンスを維持しながら、効率的にアプリケーションを配備する仕組みも求められる。
シトリックスは、この課題をどう解決しようとしているのか。この問いに対する答えとして、米国シトリックスでクラウドネットワーキング Branch Repeater&CloudBridge バイスプレジデント兼ジェネラルマネジャーを務めるチャラン・アラス氏が紹介したのは、「NetScaler」や「CloudBridge」などの製品群である。
NetScalerは、アプリケーション配信の高速化/最適化を実現する製品。物理アプライアンスの「NetScaler MPX」と仮想アプライアンスの「NetScaler VPX」に加え、専用ハードウェア上でNetScalerインスタンスを稼働させる「NetScaler SDX」という3形態が用意されている。
同製品の大きな特長は、多様なシステム拡張方式に対応している点だ。1ノードを最大5倍に拡張できる「スケールアップ」、最大32ノードまでクラスタリングできる「スケールアウト」、そしてNetScaler SDXに最大40ノードを集約する「スケールイン」という3方式である。トラフィックの急激な変化が頻発するクラウド環境においては、こうした多様な拡張方式が効率的なネットワーク運用の大きな助けになるだろう。
一方、CloudBridgeは、セキュアなVPNアクセスとネットワークの安定を図るWAN最適化機能などを提供する。このVPN機能は、IPsecによりレイヤー3でセキュリティを確保しながら、レイヤー2のトンネリングを組み合わせることで、「ネットワークやアプリケーションの構成変更を最小限に抑えながら、容易にクラウド連携を実現できる」(アラス氏)という特長を持つ。
このほかにもシトリックスでは、オープンクラウドを実現する道筋を明確に定めたうえで、その実現に向けた多様な製品や技術を提供している。当日の講演資料をダウンロードして、同社が語るオープンクラウドの真価を確かめてほしい。