1カ月間に発表された主要な新製品・サービスを紹介する、ニュースフラッシュ 新製品・サービス編。ハードウェアやソフトウェア、システムの各分野から新製品・サービスを取り上げた。
クレオマーケティング
人事・会計ソフトの機能をネットワーク経由で利用可能に
クレオマーケティングは2012年12月20日、同社が開発・販売する中堅企業向け人事・会計業務パッケージソフトである「ZeeM」の導入企業を対象に、クラウド運用サービスの提供を開始した。サービス名称は「ZeeM on Cloud」。
関連会社であるクレオネットワークスが提供するハイブリッドクラウド基盤「N-CLOUDバーチャルDC」上に、企業ごとの専用環境を構築。企業はこれまで社内に設置していたサーバーを移設して運用を委託し、ネットワーク経由で利用する。自社内にサーバーを置かずに済むため、インフラ構築や運用保守にかかる手間やコストを削減できるメリットがあるという。ZeeMだけでなく、社内の他システムを同じ基盤に統合することも可能。
ZeeM on Cloudの利用料は、1年間で288万円から。これまでZeeMを使っておらず、新規に導入する場合は別途、ソフトウェア購入費用が発生する。災害による障害時に沖縄の第2センターでシステムを復旧させるオプションや、XenAppの機能を使ってブラウザ経由でZeeMを利用するオプションがある。 (力竹)
東芝ソリューションなど
MSのDB製品に最適化したフラッシュ搭載のDB専用機が続々
東芝ソリューションは2012年12月17日、Microsoft SQL Server 2012 Enterpriseエディション(SQL Server)に最適化したDB専用マシンを提供開始した。
ストレージに6.6TBのフラッシュメモリーを採用することで、DB処理を大幅に高速化した。大量データを高速に読み取るデータウェアハウス処理と、瞬時にデータの読み書きを実施するトランザクション処理の双方に向く。
ハードウェアをSQL Serverに最適化して出荷するため、導入後のチューニング作業は必要ない。
フラッシュメモリーはViolin社製。サーバーは、東芝の「MAGNIA 3510a」か、シスコの「Cisco UCS C460 M2」のどちらかを選べる。価格は、MAGNIAモデルが2300万円、Ciscoモデルが2590万円(いずれも2013年3月31日までの特別価格)。それぞれのサーバーを冗長化させる高可用性モデルもある。
SCSKも同日、NECと共同開発したSQL ServerベースのDB専用マシンを発表。ソフトバンク・テクノロジー、デル、日本HP、日本ユニシスも同様の製品を発表した。 (力竹)
EMC
中小企業向けのバックアップアプライアンスを市場投入
EMCは2012年12月18日、バックアップアプライアンス製品の新製品「EMC Avamar Business Edition」の提供を開始した。
Avamarシリーズは、基幹業務システムやファイルサーバー、PCなど、幅広い用途を想定したバックアップ製品。データサイズを圧縮する重複排除技術を活用し、日次のフルバックアップを取得できる。
これまで同シリーズは、大企業を主なターゲットとしてきた。今回発表したAvamar Business Editionは中堅・中小企業を想定する。手離れよく導入できるよう、サイジングや設定などを工夫したほか、従来よりも価格を抑えた。価格や運用などで二の足を踏んでいた中小企業を取り込む。
バックアップ容量は最大で7.8テラバイト、価格は540万円から(税別)。認定販売パートナーである「Velocity 販売パートナー」経由で提供し、EMC自身は直販しない。
なお、Avamar Business Editionは、EMCが提供する、検証済みプラットフォーム「VSPEX」のモジュールとしても使用できる。 (緒方)
デル
セキュアなリモートアクセス環境をアプライアンスで提供
デルは2012年12月17日、中小企業向けのセキュアリモートアクセス製品「Dell SonicWALL Secure Remote Access For SMB」を発売した。
同製品は、PCやスマートデバイスなどを、社外から社内に安全に接続させるための基盤を提供するもの。具体的には、ユーザーIDとパスワード、ワンタイムパスワードによる認証をクリアした端末を、SSL-VPN経由で社内のネットワークに接続する。LDAPと連携させることで、ネットワーク接続後にアクセス可能なシステムやファイルを制御できる。
そのほかにも、いくつかの拡張機能を備える。例えば、アドオンを購入すると、Webアプリケーションファイアウォールや負荷分散などの機能を追加できる。また「Dell SonicWALL End Point Control」と組み合わせれば、Windows端末の個体識別が可能になる。
製品はアプライアンスとして提供。最大50台まで同時接続可能な「SRA 1600」と、最大500台まで可能な「SRA 4600」の2種類を用意する。価格はオープン価格。販売代理店経由で提供する。 (緒方)
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ
攻撃発生時にセキュリティ専門家が24時間体制で対処を代行
攻撃発生時にセキュリティ専門家が24時間体制でサポートを提供し、業務の復旧を支援─。チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは2012年12月14日、セキュリティに関するマネージド型のサービス、「Check Point ThreatCloud Security Services」を発表した。
同社のセキュリティゲートウェイ製品を利用していることが前提。攻撃発生時に、「ThreatCloud」とよぶ脅威情報の収集・配信基盤およびユーザー側に設置したゲートウェイを用いながら、同社の認定セキュリティ・プロフェッショナルが必要な対策や効果的な問題解決方法を提案。対策を実行する。ThreatCloudは、世界中に設置する脅威センサーからリアルタイムで脅威情報を収集、ゲートウェイに配信するネットワークである。
なお、同サービスは、ここで説明したような攻撃発生時に専門家が対処する「Incident Response」と、定常時にゲートウェイの監視やプロアクティブな脅威対策を立案する「Managed Security Service」から構成される。利用料金個別見積もり。 (編集部)
日本IBM
ログを収集/分析しシステムのセキュリティを向上
日本IBMは2013年1月10日、セキュリティソフト「IBM Security QRadar V7.1」を発表した。アプリケーションやデータベース、セキュリティ機器などが個々に蓄積するログを集約/分析して脆弱性や脅威を洗い出す。機器ごとのログを分析するだけでは見落としがちなリスクを発見し、システム全体の安全性を高める効果が見込める。
機器ごとにルールを設定し、異常を自動検知することが可能。例えばログインに何度か失敗した後に成功したケースや、特定のシステムに対して海外からのアクセスが異常に多いケースを異常と見なし、管理者に通知する。こうしたルールを定義したテンプレートを約1000種類用意し、単一画面から各機器に適用できる。
ネットワーク上の通信データを監視するフォレンジック機能も備える。社内の機密情報が漏えいしたりウイルスが侵入したりした場合、誰のどんな操作が原因だったのかを早期に特定できるようになる。
管理するハードウェアの構成や収集するログ数などにより料金は異なる。ログ管理機能を利用する場合の価格(税別)は432万4700円から。ソフトのほかに物理/仮想アプライアンスも用意する。 (折川)
京セラ丸善システムインテグレーション
会議用の資料も作成できるBIツール
京セラ丸善システムインテグレーションは2012年12月19日、米イエローフィン社が開発するBIツールの最新版「Yellowfin Ver.6.2」の国内販売を開始した。
最新版のには「ストーリーボード」と呼ぶ機能を追加した。これはYellowfin上で、データ分析結果を組み込んだスライド資料を作成するもの。スライドには、分析条件を指定して図やグラフを挿入したり、コメントを書き込んだりできる。プレゼンも、Yellowfin上で完結できる。スライド内のグラフをクリックすると、その場で抽出条件を変更したり、ドリルダウンして分析したりできる点も特徴だ。
従来のバージョンでも、主要な指標を一覧するためのダッシュボード機能を備えていたが、会議などのためにプレゼンソフトなどで別途資料を作成しているユーザーが多いことに着目。ストーリーボード機能を使えば、表やグラフを手作業でコピー&ペーストして、資料を作成する手間を省ける。また、Yellowfinの外部にデータを持ち出さないため、情報漏洩リスクも低減できる。
パッケージ価格は52万5000円(税込)から。1年間で3億円の売り上げを目指す。 (緒方)