日本ティブコソフトウェアは2013年5月24日、同社製BI(ビジネス・インテリジェント)ツールの最新版となる「TIBCO Spotfire5.0」日本語版の提供を開始した。米本社でSpotfireのプロダクト・マネージメント シニア・ダイレクターを務めるルイス・ベイジュック-ヨーガン氏に、最新版での強化点やBIツール市場のこれからなどを聞いた。
―分析対象としては、FacebookやTwitterなどのソーシャルネットが持つ非構造データへの関心が高まっている。そこでは、ソーシャルデータ特化の分析エンジンを持つeビジネス系ベンチャー企業などが台頭している。
ヨーガン氏 非構造データの分析には当社も重要視しているし、そうした分野で活躍するベンチャー企業の存在価値が大きくなってきているのは事実だ。
ビッグデータには、「Volume(量)」「Velocity(速度)」「Variety(多様性)」の三つのVの側面があると米ガートナーなどが指摘している。このうち、量と速度についてはイン・データベースやインメモリーなどで対応できる。今後は、多様性への対応が重要になってくる。旧バージョンでは、米Attivioとの連携で非構造データに対応した。
また、この3月には、位置情報などをクラウドベースで提供する仏Maporama Solutionsを買収した。今後もデータの多様化に対応するために、新たな提携先を見い出したり、各種のデータ・コネクティビティを提供したい。
―多様性という意味では、独SAPがインメモリー処理技術のHANAをベースに、基幹アプリケーションを含めたデータ処理の高速化を提案するなど、データベース自体の構成の仕方も変わろうとしている。
ヨーガン氏 SAPのHANAは価値のあるアプローチだと考えている。既にSAPのBW(Business Information Warehouse)とは連携済みだが、将来的にはHANAとの連携も考えられる。
先行するテラデータとの連携では、同社の「Unified Data Architecture(UDA)」におけるマルチソースのデータを取り込むためのツールとして「TIBCO Business Events」を提供している。同様の仕組みがHANAを含む環境でも必要になるのではないだろうか。
また今後は、クラウドとオンプレミスの両環境にまたがるデータの分析ニーズも増えるはずだ。Spotfire5.0では、第3の強化点として、データセンターのリソースを振り分けるための管理ツール「TIBCO Sliver Fabric」の統合によりスケーラビリティを確保した。TIBCOが得意とする各種の基盤連携ツールとの組み合わせるケースが増えるだろう。