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キヤノンマーケティングが店頭POP市場に本格参入、クラウドや来店誘導視野に

2013年8月21日(水)志度 昌宏(DIGITAL X編集長)

キヤノンマーケティングジャパンは2013年8月21日、レーザー・プリンタ事業において業種・業務別のソリューション提案を強化すると発表した。第1弾として、グループ企業の昭和情報機器が開発・販売するPOP(店頭販促)作成システム「ポップエース」をテコに、流通・小売り市場でのシェア拡大を目指す。まずはリプレースなどが容易なプリンタで攻め込み、将来的にはクラウド経由でのPOP作成や、モバイル機器と組み合わせた来店誘導といったシステム提案につなげたい考えだ。

ポップエースは、店頭に掲出する値札や販促チラシ、案内表示などのPOP作成に特化したシステム。開発・販売する昭和情報機器は商業印刷分野に強く、導入店舗数ベースでは、トップシェアを持っているという。2012年5月に、昭和情報機器がキヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)の完全子会社になったことから、ポップエースをテコに流通・小売業に向けたレーザー・プリンタの活用提案を強化する。

写真 キヤノンマーケティングジャパンは
POP市場向けのレーザー・プリンタ事業を強化する

具体的には、小規模向けのスタンドアロン版と、多店舗向けのWeb版を組み合わせた“ハイブリッド”戦略を採る。POPの作成・出力が、全店舗に共通なものは本部による集中出力・各店配送と、店舗固有のPOPを各店舗で出力するハイブリッド型になってきているからだ。

提案するハイブリッド型のシステムであれば、本部で作成しサーバーに蓄積したPOPデータを各店舗で印刷したり、店舗で個別作成したPOPデータを本部と共有・印刷したりすることができる。本部販売支援部門などの業務効率改善などを訴求しながら、他社製品のリプレースを仕掛けたい考えだ。

今秋にはWeb版を最新版をリリースするほか、2014年夏にポップエースのASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)サービスの投入、さらにはクラウド展開を検討する。POP自体は、来店者に向けた販促ツールだが、ASP/クラウド・サービスの投入に向けては、O2O(オンラインからオフラインまで)に代表される、モバイル端末などを使った来店誘導といったシステム提案につなげることも視野に入れる。

POP印刷システムの価格は、本部1拠点にPOP作成システム(本部版)を、店舗30拠点にPOP作成システム(30ライセンス制限)とレーザー・プリンタ30台を導入した場合で、初期導入費は約750万円から、年間保守サポート費は約250万円からである。

キヤノンMJグループは、2011年からの5カ年計画「長期経営構想フェーズⅡ」の重点戦略において「キヤノン製品のシェア拡大」を掲げている。ビジネスソリューション分野では、複合機およびレーザー・プリンタの市場稼働台数(MIF)および文書量の拡大が目標だ。

国内のレーザー・プリンタ市場において同社は、21年連続トップシェアを獲得してきた。だが、レーザー・プリンタの国内市場規模は、2012年に約86万台を出荷した後、2013年からは横ばい、または微減で推移すると見込まれている。特に、市場の約7割を占める一般オフィス市場は縮小傾向が強い。

一方で、流通・小売り、医療などの業務システム市場は、拡大傾向にある。業界再編や店舗数の増強などにより、プリンタの設置場所が増えていることに加え、特売やセール情報を伝えるPOPを大量に印刷する需要が高まっているためだ。こうした追い風を受け、キヤノンMJは、流通・小売り市場におけるレーザー・プリンタの年間売上高を2015年までに100億円規模にまで伸ばしたい考えである。

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