「モノづくりからコトづくりへ」――。製造業のサービス事業確立を支援するために、CAD(コンピュータによる設計)ツールやPLM(製品ライフサイクル・マネジメント)ツールなどを展開する米PTCが、アフターサービス分野の製品拡充を急いでいる。設計から開発、製造、サービスまでを3D(3次元)CADデータがつなぐという。PTCは3D CADの世界をどうどうとらえ、どう展開しようとしているのか。米PTC本社の上級副社長でCADセグメントを担当するマイケル・キャンベル氏が、IT Leadersとの単独インタビューに答えた。(聞き手は志度 昌宏=IT Leaders編集部)
――アフターサービスなど製造業のサービス事業への3D CAD活用を推進している(関連記事『7つのForceが製造業に変革を求める』)。
製品の設計には、営業担当者や最終顧客など多くの人の意見が加味されなければならない。にもかかわらず、設計担当者以外の関わり度合いは低いのが現状だ。結果、3D CADは設計のためだけに利用されている。
PLMが登場してからは、3D CADは、設計現場だけでなく、製造現場などでも利用されている。製造業は今、外的要因の変化から、より複雑化する課題に取り組まなければならなくなってきた。製品情報を管理するだけでなく、開発プロセスのガバナンスを確保するためには、PLMが必要だからだ。
このPLMを中心に、サービス分野におけるSLM(サービス・ライフサイクル・マネジメント)を展開し、サービスの利用場面でも3D CADを活用できるようにする。3D CADデータは、アフターサービス担当者やアセンブリ担当者、購入後に組み立てが必要な製品の購入者にも有効な情報になるからだ。将来的には、製品の保守状況や故障率といったことも、3D CADデータを介して設計現場にフィードバックできるようにしたい。
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