レゾナント・ソリューションズは2013年10月21日、自治体(教育委員会)、中高一貫教育機関等、塾・予備校向けMOOC(Massive Open Online Course)による反転授業と3次元対応学習支援システムによる学習者同士のつながりを持たせるクラウドサービス「オープンムーク3D」を発表し、同日に提供を開始した。
2012年以降、米国を中心に大学のMOOCへの参加が高まる中、日本でも東京大、京都大と相次いで米国MOOCプラットフォームへの参加および講義のオンライン配信が始まっているが、修了率の低さなどオンライン学習特有の課題も指摘されている。
こうしたMOOCの課題を解決するアプローチの1つとして、反転授業(Flipped Teaching/Flipped Classroom ※1)が注目されている。反転授業はブレンド型学習形態の1手法で、受講者は、通常なら教室で教わる学習内容を自宅でビデオ授業を視聴して予習し、一方、教室では従来宿題とされていた課題について、教師が個々の受講者に合わせた指導を行ったり、生徒が他の受講者と協働しながら取り組むことになる。
オープンムーク3Dは、学習支援システム(オープンムークLMS)、遠隔授業システム、3D学習システム、3Dシミュレーションシステムから構成される。教材のダウンロードやレポート提出、オンラインテスト、ディスカッション、eポートフォリオといった機能を備え、それらを活用することで、教育機関は反転授業を取り入れたMOOCの提供が可能になる。
また、3Dグラフィックスを駆使したUIが採用され、受講者がオンラインでも実際に教室で他の生徒と共に授業に受けているような臨場感が持てる工夫も凝らされている。さらに、社会科見学を疑似体験できるシミュレーションコンテンツの提供も可能になっている。
オープンムーク3Dの主な対象ユーザーは、自治体・教育委員会(小、中学校)、学校法人、学習塾、語学教育機関などで、クラウドサービスとして提供される。受講者100人(同時利用10名程度)規模の初期構築費用は52万5000円で、サービス利用料が年額31万5000円となっている(システム保守、カスタマイズ費用は別途)。
※1:英語では、Backwards Classroom、Reverse Instruction、Flipping the Classroom、Reverse Teachingといった表現も用いられる