日華化学は、グループ16社の業績データを集約し、グローバルな収益状況を可視化するシステムを構築した。採用したのは、日立ソリューションズの「グローバル製造業向け経営情報可視化ソリューション」。2014年2月6日に発表した。
界面活性剤や業務用洗剤などの製造、販売を手がける日華化学は、東南アジアや北米などにグループ会社を展開している。連結売上高においては、海外比率が過半に達する。しかしこれまで、グローバルな経営状況をタイムリーに把握できなかった。というのも、グループ各社は独自で事業を運営しており、それぞれから送られる業績データは項目や精度にばらつきがあった。このため、本社の経理部門が手作業でデータを集計してレポートを作成する必要があったからだ。
同社は、グローバルな視点での経営判断や戦略立案を実現するにはこうした現状を打破することが不可欠と判断。グループ各社の業績データを集約し、直近の収益状況を正確に把握できるシステムの構築に踏み切った。
「グローバル収益管理システム」と呼ぶ新システムは、国内外のグループ会社が作成したExcelやCSV形式の業績データを、経理や販売、生産・在庫といった基幹システムのデータと統合し、製品や事業、顧客ごとに集計する。統合・集計処理にはETL(Extract/Transform/Load)ツールを用いる。さらに、集計したデータをBI(Business Intelligence)システムで分析し、経営ダッシュボードやExcelファイルに出力。製品や事業、顧客別の収益状況を、拠点ごとや連結で集計して可視化する。なお、日華化学はシステム構築に際し、事業や製品のグローバル統一コードマスターを作成した。
新システムは、すでに成果を上げ始めている。連結財務諸表を月次の締め日から5営業日で作成できるようになった。連結の収益状況も、半月後には把握できる。今後は、データ精度のさらなる向上やデータ収集サイクルの短縮を計画している。
ユーザー名 | 日華化学 |
業種 | 界面活性剤や業務用洗剤などの製造、販売 |
導入システム | グローバル収益管理システム |
導入目的 | グループ企業における収益状況の可視化 |
導入時期 | 2014年1月 |
主な利用製品 | 「グローバル経営可視化ソリューション」(日立ソリューションズ製) |