[市場動向]
AIエージェント、CDPとの統合─トレジャーデータがMAツール「Engage Studio」の強みをアピール
2025年6月12日(木)愛甲 峻(IT Leaders編集部)
米トレジャーデータの日本法人は2025年6月5日、マーケティングオートメーション(MA)ツール「Engage Studio」の国内提供について発表した。顧客データ基盤「Treasure Data CDP」のデータを活用して、顧客の行動分析や施策検討からコンテンツ作成・配信まで一連のマーケティング業務を支援する。6月7日に開いた記者説明会では、製品の特徴やMA領域に進出した背景、AIを前提とする製品戦略などを明らかにした。
トレジャーデータ(Treasure Data)の「Engage Studio」は、複数のAIエージェント機能を実装したマーケティングオートメーション(MA)ツールである(図1)。
主力のCDP(Customer Data Platform:顧客データ基盤)「Treasure Data CDP」をベースに提供する製品で、CDPのデータを活用して顧客の行動分析や施策検討からコンテンツ作成・配信まで一連のマーケティング業務を支援する。2025年4月より提供を開始し、6月5日に日本国内での展開を発表した。

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CDPとの統合が強みのMAツールだが、前に立つのはAIを駆使した機能だ。説明会に登壇した、米トレジャーデータCEO(最高経営責任者)兼共同創業者の太田一樹氏(写真1)は、「顧客は成果を求めてMAを導入するが、ROIを実際に得るには、煩雑な設定や運用を経なくてはならない。Engage Studioは、AIによって最大の成果を最短で実現することをコンセプトにしている」と説明した。

MAツールとして当然、マーケティング業務の工数削減を追求している。チャット画面での指示に従い、顧客データからのセグメント抽出やカスタマージャーニー設定を行う「Audience Agent」やメール文面のドラフトを作成する「Email Agent」などを提供する(画面1)。

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AIによるマーケティング施策の改善機能では、例えばメール配信施策において、開封率やクリック率といったデータを「AI Decisioning Engine」と呼ばれるAI機能で分析し、配信タイミングやチャネルの選択など、施策を最適化するための課題や対策をレコメンドする(図2)。

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●Next:CDP専業がMAに進出した背景と、AIを組み込む新たな製品戦略
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