[新製品・サービス]
サイトコア、“対話型エクスペリエンス”を実現するマーケティングツール「Sitecore Experience Platform」を発表
2014年5月9日(金)河原 潤(IT Leaders編集部)
サイトコア(本社:デンマーク)の日本法人は2014年5月9日、デジタルマーケティングツールの新製品「Sitecore Experience Platform」を発表した。同ツールは、「Sitecore Customer Engagement Platform」の機能を強化し名称変更した製品で、現在、サイトコアの既存ユーザー向けにアーリーアクセス版が提供されている。
サイトコアが次世代エクスペリエンス・プラットフォームと呼ぶSitecore Experience Platformは、企業が自社サイトやすべての顧客向けチャネルにおけるカスタマーエクスペリエンスを、マーケティング部門が収集・管理し活用するための製品である。
同ツールは、旧製品のSitecore Customer Engagement Platformをベースに、MongoDBをベースに開発されMicrosoft Azureクラウドプラットフォームで利用可能なビックデータ・レポジトリ 「Sitecore Experience Database」を統合し、各顧客のプロファイル概要や自社ブランドにおける顧客とのコミュニケーション全体を可視化して1つの管理画面上に表示する「Sitecore Experience Profile」を含めて提供される。
ツールの仕組みとしては、日々発生するオンライン/オフラインのエクスペリエンス・データをSitecore Experience Databaseに収集し、そのデータを特定の個人に結び付けることで、リアルタイムでの“対話型エクスペリエンス”の提供を可能にする。こうして、マルチチャネルの膨大な顧客データを収集し関連付けることで、顧客一人ひとりに合ったカスタマーエクスペリエンスをリアルタイムで提供できるようになるという。
サイトコアは、Sitecore Experience Platformを開発した背景として、消費者が企業のブランドとの有機的なコミュニケーションを求める傾向が強くなっていることを挙げる。そうしたニーズにこたえていくにあたって、Webサイト、モバイル アプリケーション、ソーシャル ネットワークなど複数のチャネルを横断したコミュニケーションを効果的にリアルタイムに実行する仕組みが必要であると同社は強調する。
また、顧客一人ひとりにパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスをリアルタイムに提供できるようにするためには、各チャネルに訪れる顧客とのコミュニケーションのようなエクスペリエンス・データを高い頻度で収集・格納する仕組みが必要になるが、従来型のツールでは実現が困難であるとして、次のように説明する。「一般的にこれらのデータはサイロ状に孤立したシステムの複数のデータベースに存在しているため、分析・活用することが困難である。また、マーケティングデータの膨大さもマーケティング部門およびIT部門にとっては難題となっている」(サイトコア)。
この問題を解決するのが、オンプレミス環境でもクラウド環境でも動作するSitecore Experience Databaseで、サイトコアによれば、エクスペリエンス・データの増加量に応じて簡単に拡張できるうえ、顧客との実際の対話と同じ速度で対話を継続していくことが可能だという。
Sitecore Experience Platformの価格は未定で、サイトコア製品のユーザーは、アーリーアクセス・プログラムに参加して同ツールを試用することができる。