データに基づいてビジネスを創造していくに当たり、重要なデータソースの1つが行政機関が保有する各種のデータだ。人口動態や気象、交通量など行政機関だからこそ取得できるデータが今「オープンデータ」と呼ばれ、公開が始まっている。実行委員の中でも、オープンデータに深く関わってきた、公共イノベーション代表取締役の川島 宏一 委員と、科学技術振興機構(JST)情報企画部新規事業グループ主査の伊藤 祥 委員に、アクティブラーニング代表取締役社長CEOの羽根 拓也 委員とインプレスIT Leaders編集部の志度 昌宏 副委員長が、最新動向などを聞いた。
羽根 行政発のオープンデータが注目されています。どのように携わっておられますか。
川島 私は元々、行政側にいて、建設省(現国土交通省)や世界銀行の一員として、国内外の都市開発プロジェクトを推進・支援してきました。2006年からは佐賀県のCIO(最高情報統括監)となり、公共サービスの担い手を外部から評価するための「協働化テスト」を立ち上げ、国連の公共サービス賞を受賞しました。
こうした経験から、「市民 × データ × ICTで、公共サービスにイノベーションを起こせる」と確信し、2012年に公共イノベーションを設立し、国や地方自治体のデータ活用や、そのためのオープンデータ化を提案したり、その実行を支援したりしています。
伊藤 科学技術振興機構(JST)は、文部科学省傘下にあって国の科学技術基本計画の中核的実施機関です。その中で私が所属する情報企画部は、科学技術研究のための文献や研究者などのデータベースを整備したり、これらの情報を研究開発や教育に活用していただくための仕組みを作ったりしています。
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