ノークリサーチは2015年3月24日、中堅・中小企業を対象に、自社のx86サーバーにおけるWindows Server 2003からの移行に関する調査を実施し、その結果を発表した。売上規模が500億円未満となる国内企業1000社から回答を得ている。
ノークリサーチが調査対象の企業に対して、自社でのWindows Server 2003の残存状況を聞いた結果が図1である。売上規模が50億~100億円となる中堅企業の場合、2014年7月時点で「すでにWindows Server 2003からの移行を完了」と答えた割合は56.4%だったが、2015年1月時点では69.3%に上昇している。約半年で、12.9%の企業が移行を終えたことが分かる。
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これに対し、売上規模が5億~50億円の中小企業の場合、2014年7月時点で「すでにWindows Server 2003からの移行を完了」と答えた割合は66.9%と高いものの、2015年1月時点では66.1%にとどまる。この半年で移行作業に取り組んだ企業がほとんどいないという状況だ。「Windows Server 2003が残存し、サポート終了期限に間に合わない」と答えた割合も9.6%と高く、サポート終了後も約1割の企業がWindows Server 2003を使い続けようとしていることが分かる。
次に、売上規模が5億~50億円の中小企業に対し、Windows Server 2003上で稼働する業務システムを尋ねた。その結果が図2で、「基本情報インフラ」は、2014年7月時点で14.6%だったが、2015年1月時点では39.5%に増えている。
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ノークリサーチでは、セキュリティやファイアウォール、バックアップなどの用途で使う基本情報インフラは、基幹系システムなどと比べて移行の優先度が低くなりがちなため、Windows Server 2003環境が残存していると分析する。さらに移行準備を進める過程で、後になってWindows Server 2003環境であることが判明したというケースも増加の要因と見ている。
調査では、Windows Server 2003からの移行が間に合わないと答えた企業に対し、その理由も尋ねている(図3)。「移行計画を立てているが、実施が遅れている」と答えた企業の割合が29.2%で1位だった。遅れているものの、いずれは移行する予定である企業が多いようだ。
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一方で、「現在の業務システムは新OSで動作しない」(20.8%)や「現在の業務システムが新しいハードウェアで動作しない」(14.6%)といった回答も多い。アプリケーションを改修できず、旧OSやハードウェアに依存するシステムが多く残っていることがうかがえる。