NTTデータとリモート・センシング技術センター(RESTEC)は2015年5月18日、衛星画像を活用した「全世界デジタル3D地図提供サービス」に、3Dプリンター用と2m解像度の高精細版の3D地図データを追加すると発表した。今回から、3D地図の製品ブランドとして「AW3D」を採用し、全世界への販売を強化する。
全世界デジタル3D地図提供サービスは、高さを示す数値標高モデル(DEM:Digital Elevation Model)で世界中の陸地の起伏を表現する3D地図データを提供するもの。これまでは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、JAXAの陸域観測技術衛星「だいち(ALOS:エイロス)」が撮影した約300万枚の衛星画像を用いた5m解像度の3D地図データを提供してきた。
新たに提供する3Dプリンター用データは、3Dプリンターが直接読み込めるSTL(Standard Triangulated Language)ファイルフォーマットで3D地図データを提供するもの。高精細な3D地形模型を作成できるため、精密造形や各種設計、防災分野などにおける模型を使ったシミュレーション解析などに利用できる。3D地図提供のオプションとして提供する。
一方、2m解像度の高精細版3D地図は、米DigitalGlobeの衛星画像を利用したもの。直近に撮影した衛星画像から高精細の3D地図を提供することで、地形に比べ変化しやすい都市などの起伏を建築物レベルで表現できる。都市計画や施設管理のほか、大規模災害などで発生した地形変化を反映させることもできる。数値標高モデルのデータを、任意のエリア(最低25平方キロメートルから)に対して提供する。
データの利用料は、3Dプリンター用データ提供サービスが、3D地図の費用に加え1ファイル当たり5万円から。2m解像度の高精細版3D地図は1平方キロメートル当たり1万1000円から。
今回、3D地図提供サービスに、新ブランド「AW3D」を設定。全世界へのサービス提供を強化し、2015年度中に両者で累計15億円の売り上げを目指す。