シマンテックの情報管理部門であるベリタステクノロジーズは2015年7月10日、バックアップや情報管理などの新製品群を発表した。ビッグデータと、それに伴うストレージの断片化などに対応し、ハイブリッドクラウド環境に保存されているデータの有効活用を可能にする。2015年10月にベリタスとシマンテックの分社が計画され、2016年1月までに完了する予定である。
発表したのは、ビッグデータやクラウドに対応するためのデータ管理ツール群と、データを利用するアプリケーションを含めたITサービスを管理するツール群。データ管理ツール群では、バックアップ製品の「Veritas NetBackup 7.7」や、非構造データに対応するための「Veritas Information Map」を投入する。
NetBackup 7.7は、同社バックアップ製品の最新版。VMware vSphere 6やMicrosoft Hyper-Vのハイパーバイザーとの統合を強化。同時にAWS(Amazon Web Services)やGoogle Nearlineなどを使ったハイブリッドクラウド環境に対応した。クラウド環境での性能は従来バージョンから最大30倍高速になった。
Information Mapは、非構造化データに対する可視性を高めるためのクラウドアプリケーション。NetBackupからメタデータを収集し、クラウドに保管した後にビジュアル表示する。全データの中から、リスクがある領域や情報価値がある領域、無駄になっている領域を特定でき、情報リスクの低減や情報ストレージの最適化に向けた意思決定を支援する。
非構造データ関連では、「Veritas Data Insight」の新版「5.0」も発表した。アクセス制御の追跡とライセンスの保有状況を統合管理し、ファイル共有のセキュリティを保証する。非構造データの分析機能を拡張し、自社のストレージ環境とオンラインストレージ「Box」を組み合わせた全体のガバナンスの確立を支援する。利用者がリスクとデータ機密性の関連について理解を深められるようにもなる。
ITサービス関連では、「Veritas InfoScale」と「Veritas Resiliency Platform」を発表した。InfoScaleは、アプリケーションの可用性とソフトウェア定義ストレージの機能を提供するソフトウェア。物理環境と仮想環境で利用されている多層型アプリケーションの可用性を高める。単一のWebベースの管理インタフェースを通じて、データセンター全体のデータの利用状況を把握できる。
Resiliency Platformは、ITサービス継続性を維持するためのソフトウェア。マルチベンダー下の物理/仮想環境において、より重要なデータとアプリケーションへの常時アクセスを確保する。重要なアプリケーションが求めるサービスレベルを満たすと同時に、企業内のITサービスがどのように利用されていくかを予測することも可能になる。
NetBackup 7.7とInfoScaleは、すでに提供を始めている。Resiliency PlatformとData Insight version 5.0は2015年後半に、Information Mapは2015年中にそれぞれ提供を開始する予定である。