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シスコがSAP HANAの実装を独自技術とノウハウで強力に推進

─要となる技術検証の場と専任サポート部隊

2015年12月16日(水)

インメモリー技術の全面採用で高速データ処理を可能にするSAP HANA。ポテンシャルを十二分に発揮させるには、それに最適化されたインフラ、そしてノウハウが欠かせない。SAPとの協業を推進するシスコは、この領域でどのような価値を提供しようとしているのか。2015年11月12日に都内で開催された「SAP Forum Tokyo」において、「シスコが提供するSAP HANAインフラ 最新導入事例と技術情報のご紹介」と題して行われたセッションの主要トピックを紹介する。壇上に立ったのは、シスコシステムズ合同会社 パートナーシステムズエンジニアリング SAPコンピテンスセンターの赤坂知 氏だ。

 さらに、実践的なノウハウの提供にも余念がない。赤坂氏が所属している「SAPコンピテンスセンター」が、まさにそのミッションを担う組織。技術情報のみならず、これまでの構築実績から培ってきた知見に基づいて、包括的な支援にあたる。SAP HANAは、SAPが先進テクノロジーを注いで開発に注力していることもあり進化が絶え間ない。新しいSPS(Support Package Stack)は半年に1度ほどの頻度で、マイナーなパッチは毎月のように出てくる。「SAP HANAの基盤構築に欠かせないポイントの1つが、最新動向やリリース前の情報にアンテナをはって常にキャッチアップしておくことであり、我々が得意としているところです」と赤坂氏は話す。

 シスコのSAPコンピテンスセンターのメンバーは、先のCOILを中心に活動しており、その数は180人にも達する。HANAの特性を活かした注目すべきユーザー事例は、IT先進国の北米から出てくる傾向が強いが、そうした情報も常にワールドワイドで共有し、実務に役立てている。SAPコンピテンスセンターに協力を仰げば、世界各地で同じ品質でサポートを受けられるので、グローバル展開をしている企業にとっては魅力的に映るはずだ。

日本国内でも先駆的なユーザー事例が

 UCSサーバを核とするシスコ製品の先進性、さらにCOILを核とする手厚いサポートの提供。これらの2軸の相乗効果によって、日本国内でも先駆的な事例が出始めているという。その中で、セッション当日に赤坂氏が先進的な事例を紹介した。。

 インフラ基盤を主な対象にSI事業を手がけるA社は、経営指標の可視化やリアルタイム性の追求を旗印に、基幹システムの刷新プロジェクトを推進している。まずは、従来から活用しているSAP ERPのデータベースをSAP HANAに移行(SoHとして再構築)。さらに、その先では最新版のSAP Business Suite 4 SAP HANA(SAP S/4 HANA)を導入することを視野に入れている。

 大まかなシステム構成を示したのが図2だ。同社にとってミッションクリティカルなシステムなので可用性への配慮は欠かせない。結果、関東データセンターではローカルでのクラスター化(HA)、加えて、関西のデータセンターをDRサイトに位置付けてクラスター化を図ることとなった。

図2 A社が導入するSAP HANAシステムの基本構成
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 SAP HANAで可用性を担保するには、ホストオートフェールオーバー(スケールアウト構成でのスタンバイ)、ソフトウェアベースでのシステムレプリケーションなど、いくつかの選択肢がある。それぞれ検討を重ね、最終的に採択したのが、システムレプリケーション。関東データセンター内のHAでは同期モード、DRの関西データセンターとの間は非同期モードである。

 まだ例の少ない構成となるだけに、基本方針を固めるまでには、当然のことながらいくつもの事前検証を重ねなければならなかった。SAP HANAの特性を活かしたメモリーtoメモリーのレプリケーションではあるが、本当に実用に耐えるものなのか。万が一、システムをリブートすることになった場合、メモリーにデータをロードするのにどのぐらいの時間を要するか…。分からないことだらけだったのである。

 この検証に一役立ったのが前述のCOILであり、SAPコンピテンスセンターの支援である。A社の情報システム部門とタッグを組み、COILの施設、時にはA社の自社環境をも使って、400ギガ相当の実データで各種の実証実験を繰り返した。

 まずシステム起動時、400ギガのデータをディスクからメモリーに展開するのには15分ほどがかかった。次にローカルでのHA構成の検証。アクティブとスタンバイ環境があり、システムレプリケーション(同期モード)機能によって、前者に変更があったなら間髪入れずにネットワーク経由で後者に送る仕組みで運用している。障害を検知し、手動でスタンバイ機に切り替えるのに要したのは1分半ほどだった。さらに関東-関西でのDR。同じシステムレプリケーションでも、こちらはネットワーク遅延を考慮して非同期モード(プライマリ側に一定のバッファを持たせる)での運用だ。データセンター間を1ギガのWAN回線で接続した場合、レプリケーションは15分で完了することが判明した。

 「どんな値となるのか、私も実際に試してみるまでは推測しきれませんでした。結果的には、SAP HANAのインメモリー処理やデータ圧縮技術ならではの高速性を再確認することができ、システムレプリケーション機能を採用した今回の構成でいけると判断することができたのです。最新技術の導入にチャレンジするには、実際にやってみることがとても重要であることを、あらためて痛感しました」(赤坂氏)。

 こうしたエッジの効いた取り組みに果敢に挑むことで、SAPコンピテンスセンターには、他にはない、実測値に基づいたノウハウが蓄積されていく。それらは、先に触れたようにワールドワイドで共有され、各国の先駆的なプロジェクトに活かされる。ここに好循環が生まれ、SAPとの戦略的パートナーシップは、より強固なものになるのだ。

 ビジネスの実態を速やかに可視化し、それに基づいた的確な意思決定で競争優位をものにしていく。そんな“リアルタイムエンタープライズ”を標榜する企業を、シスコは全面的に支援していく構えだ。


●お問い合わせ先

シスコシステムズ合同会社
http://www.cisco.com/web/JP/

SAPコンピテンスセンターへのお問い合わせ
jp-sapcc@external.cisco.com
 

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