ビジネスを加速させる上で、データの巧みな利活用は喫緊の課題である。多くの企業が、すでに膨大なデータを蓄積しているものの、誰も使っていなかったり、重複したものが多数存在していたりするケースは少なくない。いたずらにリソースを浪費し、管理コストが膨れ上がるばかりだ。こうした現状にメスを入れるべく、ソリューションを提供しているのが日本ヒューレット・パッカードである。代表製品の「HPE Storage Optimizer」を軸に詳細を解説する。
データの中身まで確認する独自アプローチも
もっとも、メタデータだけを頼りに判断するのは限界があるのではないかという声が上がるかもしれない。例えば、イベント開催の報告書をプレゼンテーションソフトで作成し、その最終ページに参加者の氏名やメールアドレスなどの個人情報が含まれているようなケースである。機微に触れるデータに関しては相応の対処をするべきだし、別の観点では、ファイルサーバーにある雑多なデータの中に“取扱注意”のものが含まれているか確認したいというニーズもあるはずだ。
これに応えるのが「HPE ControlPoint」である。メタデータベースのStorage Optimizerの機能に加え、データの“中身”まで見て判断する(=ポリシーを定義する)機能を備えているのが特徴だ。ここには、同社が2011年10月に傘下に収めたオートノミーの独自技術が活かされている。
具体的には、IDOL(Intelligent Data Operating Layer)と呼ばれる一種のパターン認識エンジンだ。単に対象データの中味をフルスキャンするのではなく、コンテキスト(文脈や前後関係)などを加味した上で、目的に合致するものを精緻に見つけ出す高度かつユニークなテクノロジである。個人情報に相当するもの、クレジットカードの番号と思われるものなど、取り扱いに注意しなければならない内容を含むデータを洗い出すことができる。識別されたデータは別の場所に移動などするだけではなく、HPEの強力なアーカイブ、レコード管理ソリューションに管理させることができる。
この機能を使いこなすには一定水準のスキルが必要となるが、ここでもHPEは専門のエンジニアが手厚く支援する。「情報管理のレギュレーションが頻繁に変わる金融業界などの動きにも常にキャッチアップしており、適切なデータが適切な場所で管理されているか、その企業の事業特性に応じてコンサルティングすることができます」(徳久氏)。
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Storage Opitimizer、そしてControlPoint。HPEは、これらのソリューションを活かしながらデータ活用高度化の足がかりとなるレガシーデータ/ダークデータの整理を積極的に担っていく。「どの企業にとっても、データをどのようにハンドリングしていくかは、今後のビジネスを加速させる上で重要な課題。IoT(モノのインターネット)を筆頭に、新しいタイプのデータもどんどん増えてくることでしょう。クラウドの活用も欠かせない要件になってきます。先々を見据えて戦略を練ることはとても重要なことですが、軽視してはいけないのは、今あるデータをきちんと管理できているかということ。足下が疎かなまま、一足飛びに理想像にたどり着くことはできませんから。この重要な視点を忘れることなく、当社はユーザー企業に寄り添って一緒に課題解決に当たっていきます」と徳久氏は強調する。
●お問い合わせ先
日本ヒューレット・パッカード株式会社