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IoTのデータ連携基盤に―アプレッソがDataSpiderの新バージョン発売

2016年2月25日(木)杉田 悟(IT Leaders編集部)

アプレッソは2016年2月24日、データ連携ソフト「DataSpider Servista」の最新バージョンとなる「V4」の提供を開始した。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)関連機能を大幅に強化している。

 DataSpider Servistaのメジャーバージョンアップは、2011年3月の「3.0」以来5年ぶりとなる。前回はクラウドにフォーカスしたバージョンアップとなっていたが、今回は市場の拡大が見込まれるIoTにフォーカスし、「IoT連携プラットフォーム」を謳っている。

(図)IoT連携プラットフォームとしてのDataSpider Servista(出所:アプレッソ)
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 プロダクトストラテジストの友松哲也氏によると「センサーデータだけでなく、モバイルや製造機器など様々なデバイスから、異なる様式でクラウドに収集される膨大なデータを、結合、クリーニングしてアプリケーションで利用できるデータに生成する」のが、IoT連携プラットフォームとしてのDataSpider Servistaの役割のひとつだという。

 今回販売を開始した「4.0」ではまず、アマゾン ウェブ サービス(AWS)のIoTプラットフォームであるAWS ITに対応した。NoSQLデータベースであるAmazon DynamoDB用のアダプターを提供するほか、ストリーミングデータ用の処理基盤であるAmazon Kinesisからのデータ受け口となるKinesisトリガーも開発した。これらにより、AWS IoTのデータとの連携が可能になるとしている。

 2016年6月に提供予定の「4.0 SP1」ではIoTでの利用を見込んで、Microsoft Azureアダプターの対応サービスを拡張する。新たに対応するのは、Hadoopビッグデータソリューションの「HDInsght」、NoSQLデータベースの「DocumentDB」、機械学習の「Machine Learning」、ストレージ機能の「Queue(キュー)Storage」の4サービス。対応済みの「Azure SQL」「Blob Storage」「Service Bus」と合わせて、Azureの7サービスに対応することになる。

 Azureがクラウドサービスとしてユーザー数を急速に増加させている背景として、Azure上に用意されたHDInsightやMachine Learningといったサービスを利用したいユーザーが、既存のクラウドサービスとAzureを連携させている事情を挙げている。DataSpider ServistaをIoT連携プラットフォームとして利用することで、例えばAWSなど他のクラウドからのデータをAzureのMachine Learningで分析するプロセスを、完全自動化できるという。

 4.0では、IoT対応のほかに、クライアントの日本語/英語切り替えを可能にしたグローバル対応、操作性の向上などを行っている。4.1では更に、新エンジン「マルチストリームコンバータ」を採用して集計、結合、ソートなどの処理を高速化する。従来の10から15倍程度のパフォーマンス向上が見込めるとしている。

 追加の情報として、DataSpider Servista V4がNoSQLデータベースであるMongoDB用のアダプターを開発したことも上げておく。MongoDBは、IoTとりわけビッグデータ分析で世界的に多く利用されているというオープンソースのNoSQLデータベース。

 アプレッソによると、通常MongoDBにデータをインポートするには、インポートコマンド等を利用する。その際に、インポート用のデータを事前に生成する必要があるため、様々なデータを結合・整形してデータを生成するプログラムを開発する必要があった。DataSpiderはこれをノンプログラミングで行えるという。

 これは、特定のイベントが発生した際に決まった処理を行うDataSpiderのトリガー機能により自動化できる。そのほか、通常ではプログラミング開発が発生するクラウドサービスやアプリケーションとMongoDBとの連携も、ノンプログラミングで行える。

 DataSpiderをIoTのデータ連携基盤に採用するメリットは、まさにここにあるというのがアプレッソの主張するところだ。

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