クラウド、ビッグデータといったキーワードと共に必ず登場するのがOSS(Open Source Software)である。当初は「無料のソフトウェア」として紹介されたOSSだが、そのイメージのままではOSSの価値を見誤る。OSSこそが基盤ソフトウェアの中核になってきたからだ。その背景には、ITの経営的価値がアプリケーションソフトウェアに、よりシフトしていることがある。
OSS(Open Source Software)と聞いて読者は何をイメージするだろうか。基本ソフトのLinuxかもしれないし、「ソフトウェアは公共財である」といった主張や、それに沿う無料ソフトウェア、あるいはソフトウェアそのものは無料にし付随サービスで儲けるビジネスモデルかもしれない。
いずれも間違いではないが、これらの断片的なイメージだけでは、今後のIT基盤選択の方向性を見誤る可能性が高まっている。プログラムを企画する人と作る人が企業体を超えて分離している日本にあっては実感に乏しいかもしれないが、IT基盤におけるOSSの存在感/発言力は日増しに高まっているからだ。
例えば、ビッグデータ処理やデータアナリティクスの実行環境を考えて見よう。多くの解説記事や導入事例をみると、分散処理フレームワークの「Hadoop」や、インメモリー処理により高速な分析を可能にする「Spark」、Hadoop上でSQL処理を実行するDWH(Data Warehouse)を構築するための「Hive」といったソフトウェアの名称が並ぶ。これらはいずれもOSSであり、それを元にした多数のディストリビューションやクラウドサービスが提供されている。
クラウドにおいても、米IBMや米HPE(Hewlett-Packard Enterprise)などの大手企業が「OpenStack」や「Cloud Foundry」といったIaaS(Infrastructure as a Service)/PaaS(Platform as a Service)構築用のOSSを各種サービスの基盤に採用する。米Microsoftですら、同社クラウドのMicrosoft AzureにはOSSを積極的に取り込んでいる。昨今話題のコンテナ技術「Docker」は、その代表例だろう。
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