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[市場動向]

複合機とクラウドサービスの連携で働き方改革を─富士ゼロックス

2016年10月13日(木)杉田 悟(IT Leaders編集部)

複合機をプラットフォームに企業の働き方改革を推進する―これが富士ゼロックスが掲げた新コンセプト「Smart Work Gateway」が目指すところだ。様々なクラウドベンダーとの連携により実現するこの新コンセプト、2016年10月12日には連携するクラウドベンダー3社が発表された。

 Smart Work Gatewayは、富士ゼロックスのデジタル複合機をプラットフォームに、他社の様々なクラウドサービスと連携して「デジタルトランスフォーメーション」の観点から業務プロセスの効率化、働き方改革、社会課題の解決を目指すものだ。

Smart Work Gatewayにおけるクラウドサービス連携(出所・富士ゼロックス)
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 今回、クラウドサービス連携の最初の取り組みとして、出張・経費管理サービスのコンカー、名刺管理サービスのSansan、ファイル共有サービスのBoxという3社との提携が発表された。

Smart Work Gatewayのコンセプトを説明する富士ゼロックスの栗原博社長

 富士ゼロックスの栗原博社長は「できるだけ認知度が高く、ユーザー数の多い、各方面でトップのクラウドベンダーと提携していきたい」との展望を明らかにしており、この3社が最初のパートナーとなった理由も、そこにあるようだ。

 具体的に、各クラウドサービスが富士ゼロックスの複合機とどのような連携を見せるのか。

 コンカーとは、経費精算業務の効率化を目指す。複数の領収書を複合機でスキャンすると個別の領収書を認識して、コンカーの出張・経費管理システム「コンカー トラベル&エクスペンス」に経費情報を自動入力する。また、2017年からは領収書原本保管義務が撤廃され、電子データでの保管が可能になるため、スキャンデータをe領収書として保管できるようになる。

 Sansanとは、名刺管理および名刺情報の共有化を実現する。これまでSansanに名刺情報を登録するためには、専用スキャナでスキャンするか、スマートフォンアプリで撮影するかの2通りの方法しかなかった。新たに、富士ゼロックスの複合機で複数枚の名刺をスキャンするだけで個別の名刺を認識し、Sansanへ登録できるようになる。同日Sansanは、複合機連携機能の開発に着手したことを発表している。

 Boxとの連携では、場所を選ばず出力できるワークスタイル変革を支援する。Boxのファイル共有サービスは、スマートフォンなど様々なデバイスで利用できるため、例えば社外でBox内のコンテンツを印刷したい場合には、富士ゼロックスのクラウドサービス「Cloud On-Demand Print」を使うことで、複合機が置いてあるコンビニエンスストアや事業所で印刷できるようになる。

 社外での印刷サービスに関しては、BoxだけでなくDropboxやEvernote、Google Drive、One Drive、SharePoint Onlineなどの外部サービスや、富士ゼロックスのWorking Folderでも利用できるようにする予定だ。

 最新のデジタル複合機には、各クラウドサービスとの連携機能をあらかじめ搭載させる予定だが、一部既存のモデルでも、すでにクラウド連携に対応した機種があるという。また、現在対応していないモデルについては、ソフトウェアのアップデートなどで対応させていく考えだ。

 富士ゼロックスとしては、連携サービスを他メーカーからの乗り換え需要や新機種への買い替え需要につなげていきたいところだが、栗原社長は「重要なのは、目先の複合機の売上アップではなく、印刷以外の様々な使われ方をすることで、複合機がオフィスの中で存在感を示せるようになること」だとしている。

 連携サービスは、早ければ2016年中に開始する予定だ。

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