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高強度な耐熱品を樹脂+炭素繊維で造る、知っておきたい3Dプリンターの最新動向

2016年11月17日(木)田口 潤(IT Leaders編集部)

製造業やサービス業に破壊的な変革をもたらすと言われる3Dプリンター。企業情報システムとの関係は弱いものの、デジタル化を牽引するCIOやITリーダーなら、その動向を押さえておいた方がいい。そこで米Markforgedというベンチャー企業が開発・販売する世界初の炭素繊維で造形できる3Dプリンターを紹介しよう。

2本のヘッドで炭素繊維を樹脂で固める

 そのヘッド回りを写真2に示した。ほかの3Dプリンターと大きくは変わらず、X軸とY軸方向に自在に動くヘッドがあり、造形を置く台板が上下する構造である。ただし、写真2から明らかな通り、ヘッド部に素材を供給する管が2本ある。上側の太い方が樹脂、下側が炭素繊維だ。写真3のような部材を作る場合、炭素繊維を長方向に往復させながら樹脂で固めていく。1本の炭素繊維は脆いが、何本も束ねることで強度を確保する。

写真2:Mark Twoのヘッド回り。2本のチューブで素材を供給する写真2:Mark Twoのヘッド回り。2本のチューブで素材を供給する
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写真3:スパナのような工具を製造する用途に向く写真3:スパナのような工具を製造する用途に向く
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 同社のMichael Caineエンジニアリング担当ディレクタによると、「メカニカルな仕組み面では特許を多数取得している」。この点でのアドバンテージに加えて、設計ソフトウェア「Eiger」も用意する。Webブラウザ経由で使えるEigerは、3Dのデザインにおける炭素繊維の配置パターンを最適化し、最少の炭素繊維で最大の強度を生み出すように造形物の内部構造を設計するためのソフトウェア(写真4)。炭素繊維をどの方向に、どのように積層プリントすればいいかを設計できる。

写真4:工具を透視するかのように見ながら、炭素繊維の配置を設計できる写真4:工具を透視するかのように見ながら、炭素繊維の配置を設計できる
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 Mark TwoにはStandard、Professional、Enterpriseと3タイプの製品がある。炭素繊維が使えるのは共通だが、そのほかの素材(Onyx、HSHT Fiberglass、Kevlar)への対応やノズルの数が異なる。価格はそれぞれ5499ドル、8799ドル、1万3499ドルだ。55万から135万円程度で、実用に耐える治具や工具を作れるのだから“破壊的”と言えるかも知れない。日本では、ミルトス(東京都千代田区)を代理店として販売やサービスを展開していく計画だ。

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