キャッシュレス社会の実現を―経済産業省は、諸外国に比べて低いといわれるキャッシュレス決済の比率を向上させるため、キャッシュレス決済で最大ボリュームを抱えるクレジットカードとFinTechサービスの連携を促進させるための取り組みを開始したことを2017年3月31日に発表した。
ECサイトなどの拡大などによりキャッシュレス決済の取扱高は年々微増しているものの、キャッシュレス決済市場でもっともボリュームの大きいクレジットカード会社の金利収入や加盟店手数料収入は頭打ちで、新たな収入源を模索している。そこで、経済産業省がビジネス拡大策として考えたのが、FinTechサービスとの連携。
すでに銀行は、家計簿サービスや決済サービスを提供するFinTechベンチャーとの協業を開始しているところも多い。一方で、クレジットカード会社とFinTech企業との連携は進んでいないのが現状だ。
経産省は、双方の事業者に手間のかからない連携手段としてAPI連携を提案している。APIを活用して創出されるサービスやそれにまつわる課題を検討する「クレジットカードデータ活用に係るAPI連携に関する検討会」を開催、クレジットカード会社の新サービスの創出によってキャッシュレス決済を推進していきたい考えだ。検討会を3度程度開催したのち、5月頃には報告書の中間とりまとめを予定している。
検討会では、クレジットカード会社およびFinTech企業がAPI連携を進めることで創出されるサービスは何か、クレジットカード会社とFinTech企業が満たすべき基準や両者の責任関係の所在、API連携に伴う収益の配分や費用分担、APIの技術仕様などについて話し合う。