日本NCRは2017年9月7日、小売店に並んでいる商品を、購入者自らスマートフォンでスキャンして購入リストに登録し、支払い手続きができるシステム「NCR Fastlaneモバイルショッパー」など、小売店向けの製品群を発表した。2018年1月~3月に提供開始する。モバイルショッパーは大手スーパーマーケットと商談中であり、社内検証などを経た後に実運用する見込み。
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「NCR Fastlaneモバイルショッパー」は、小売店舗での購入体験を改善するシステムである。スマートフォンを活用することによって、レジに並ぶことなく、購入する商品の登録と支払いが可能になる。スマートフォン上で動作するフロントのアプリケーションは店舗側で開発する必要があるが、バックエンドの仕組み一式を日本NCRが提供する。
店舗を訪れた客は、自身のスマートフォンか、店舗設置の専用ハンディスキャナー端末(Android機)を使って、購入したい商品をカメラでスキャンする。これにより、購入リストに商品が追加される。店舗内を歩きまわり、購入する商品をピックアップしながら、スキャンを繰り返す。
スキャンして購入リストに登録した商品の支払いは、店舗のレジで現金やクレジットカードで決済するか、またはスマートフォンやモバイル端末上のアプリケーション画面から、オンラインで決済する。オンラインでのクレジットカード決済を選べば、店舗での支払いも不要になる。
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モバイルショッパーではまた、スマートフォンや専用センサーに情報を送信することもできる。割引情報やクーポンなど、一人ひとりの客の趣味・嗜好に合わせたプロモーション情報を送信したり、商品を購入リストに登録した際に詳しい商品情報を表示したり、関連商品などのレコメンド情報を表示したり、といったことができる。
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NCRがモバイルショッパーを提供する背景について、米NCRでストアトランスフォーメーションソリューションズのバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャを務めるDusty Lutz氏は、「小売店は変革を求められている。小売店へのプレッシャーは強まっている」と指摘する。レジ待ち時間の短縮、購入方法や受け取り方法などについての多くの選択肢の提供、スタイリッシュな店舗、などの要求がある。
モバイルショッパーは、米国や欧州ではすでに使われている。ユーザーの1社が、大手スーパーマーケットの米Wal-Mart Storesである。日本でも1社との間で商談が進んでおり、社内検証などを経た後に、2018年1月~3月に実運用する見込みという。
コンパクトなセルフレジとPOS端末も提供
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モバイルショッパー以外の新製品として、セルフレジの新製品「NCR Fastlane SelfServ Checkout Release 6J NCRフレックスセルフ」と、POS(販売時点情報管理)端末の新製品「NCR RealPOS XR7J」も発表した。いずれも、モバイルショッパー同様に、2018年1月~3月に提供開始する。
セルフレジは、客みずから商品のスキャンや支払いができるレジ装置のこと。通常のレジのように店員がスキャンや支払いを代行することもできる。商品のスキャンだけを店員が代行し、支払いは客自身でするという運用も可能である。
新製品であるフレックスセルフの特徴は、コンパクトで接地面積が小さいことである。さらに、ユニバーサルデザインを心がけており、車椅子での利用や、小柄な女性による利用を想定したとしている。画面のタッチパネルに手が届かない人でも操作できるように、きょう体下部に操作盤も付けた。