[イベントレポート]

Oracle+NetSuiteのシナジーで期待される、クラウドERPのさらなる進化

NetSuite SuiteConnect 2017

2017年10月11日(水)河原 潤(IT Leaders編集部)

企業ITにおけるクラウド活用が前提となって久しいが、基幹系システムを担うERPに関してはクラウド化が難しいという声を聞く。クラウドERPのパイオニア的存在である米ネットスイート(NetSuite) は、デジタル変革期の今、どのようなビジョンの下でユーザーに価値を提案・提供しているのか。2017年10月3~4日に開催されたNetSuite SuiteConnect 2017では、Oracle+NetSuiteとしてのビジョンとポートフォリオが示された。

この先、製品レベルでの統合はあるのか

 周知のようにオラクルは「Oracle Applications」の名称で、さまざまな分野のSaaSを提供中だ。ERPの「Fusion Applications」も一部SaaSで提供されている。

 今回のSuiteConnectは、ネットスイートがオラクル傘下となってから、まもなく1年というタイミングで開催された。オラクルは自社開発のERPと過去買収した複数のERPを強行的に“融合”し、Fusionを完成させた経験を持つ。将来、両社の製品レベルでの統合もあるのかどうかはユーザーにとって気になるところだ。

 この点については、両社の幹部は明確に棲み分けができており、社内競合のようなことにはならないと明言する(写真3)。オラクルのCEO、マーク・ハード(Mark Hurd)氏はこう説明している。「Fusionは複雑で大規模なITシステムを運用する大企業に適した製品で、NetSuiteはSMBをメインとしている。長年、顧客それぞれの規模や用途で両社のERPが選ばれてきたわけで、良き補完関係は今後も続いていく」

写真3:ゴールドバーグ氏(右側)とオラクルのCEO、マーク・ハード氏は、Oracle+NetSuiteのシナジーを改めて強調した

 また、企業規模だけでなく、各業界のターゲティングにも違いがある。NetSuiteの場合、小売、製造といった業界単位というより、衣料品、食品、自動車、精密機器といった具合に業種単位で細分化したマイクロバーティカル戦略を推し進めてきた。「マイクロバーティカルの取り組みを支えているのは各業界・業種の商習慣や法的要件などを知り尽くしたNetSuiteのパートナーエコシステムである」(ゴールドバーグ氏)

 一般的に言って、バックグラウンドの異なる複数の業務アプリケーション(特にEPR)の統合は膨大な工数と時間のかかる難解な作業だ。現在、両社のポートフォリオが良好な補完関係にあるので、決して断定はできないが、第2のFusionは登場しない可能性が高いだろう。

 オラクルはNetSuite事業および研究開発へのさらなる投資を明らかにしている。また、大企業を中心とした同社の顧客も、用途特化のセカンドERPとして、俊敏性の高いクラウドERPを求めている。ネットスイートが今後も、設立以来貫くシンプルなアーキテクチャを維持しながら、デジタル変革期の新しいニーズにこたえるかたちでクラウドERPを進化させ続けていくことに期待したい。

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