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日立、10万パラメータまで扱えるアニーリングマシンを開発、2018年8月に公開

2018年6月15日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日立製作所は2018年6月15日、サプライチェーンにおける物流コストの低減など、実社会の複雑な問題を高速に解くアニーリングマシンの実装として、問題の規模に応じて性能を拡張できるマシンを開発したと発表した。同年8月から一般企業や大学、研究機関などのパートナー向けにクラウドサービスとして公開する。

 日立製作所は、サプライチェーンにおける物流コストの低減など、実社会の複雑な問題を高速に解くアニーリングマシンの実装として、問題の規模に応じて性能を拡張できるマシンを開発した。2021年8月から一般企業や大学、研究機関などのパートナー向けにクラウドサービスとして公開する。

 最大の特徴は、これまで拡張が制限されていたアニーリングマシンの性能を、複数チップの接続技術によって拡張したことである。FPGAで実装したCMOSアニーリングチップ同士を相互接続し、解くべき問題の規模に応じて性能を拡張できるようにした。

図1:約5キロメートル四方のエリアにおける都市交通最適化シミュレーションの実行例(出典:日立製作所)図1:約5キロメートル四方のエリアにおける都市交通最適化シミュレーションの実行例(出典:日立製作所)
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 アニーリングチップ25枚で、世界最大規模の10万2400パラメータの問題に対応できるという。交通渋滞を避けるための車両の経路制御のシミュレーションを行ったところ、従来の25倍の面積に相当する約5キロメートル四方のエリアにおいて、1台あたりの最短経路探索を数ミリ秒の速度で処理できたという。

 「チップ間を接続する場合、高速に変化するパラメータの値を、隣接するチップに送受信する必要がある。このため、特に多数のチップを接続する際に、通信量が急増しないことが求められる」(同社)。

 今回、日立は各チップにおいてはチップ境界部分にあたるパラメータだけを送受信する局所的な通信で十分であることに着目した。隣接するチップ同士がパラメータの値を絶えず送受信する“部分結合型”のアーキテクチャを適用した。

 「部分結合型の構成では、全結合型の構成と比べて、接続枚数が増えた場合でも1チップあたりの通信量は増加しない。これにより、省電力かつ低コストで規模を拡張できる」(同社)。

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