ITサービスマネジメント(ITSM)を中核にカスタマーサービスや業務ワークフローなどのアプリケーションをSaaS型で提供しているServiceNow Japan。同社は2018年6月27日、説明会を開いてビジネス状況をアップデートした。直近では2018年1月に業務ワークフローを簡単に作成できる機能をリリースしたほか、2018年第3四半期(7~9月)には案件に対応するのに適した担当者を機械学習で見つける機能をリリースする。また、特に日本で需要が高い機能として、業務アプリケーション開発プラットフォームとしての使い方を訴求していくとした。
ServiceNow Japanは、ITサービスマネジメント(ITSM)を中核とする運用管理アプリケーションをSaaS型で提供している企業である。最近では、ITシステムを運用管理するテクニックを全社業務に適用することに注力している。ワークフローやCMDB(構成管理データベース)、サービスデスク、ナレッジ管理などの機能群は、ITシステム以外の領域でも応用できる。
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具体的には、運用管理の技術を応用して、カスタマーサービスやセキュリティサービス、人事ワークフロー業務などをSaaS化して提供している。カスタマーサービスの場合、顧客の問い合わせに対してCMDBを参照して根本原因を突き止める。これらの業務アプリケーションとは別に、任意のビジネスにおけるワークフローをシステム化するための開発プラットフォーム機能も提供している。
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現状でもITSMなど運用管理分野のSaaSアプリケーションが主流のビジネスだが、2018年現在ですでに、ITSMではない業務アプリケーション領域が売上の50%以上を占めている。特に日本では、業務ワークフローなどを開発する「アプリケーション開発プラットフォームとしての用途が多い」(ServiceNow Japan社長の村瀬将思氏)という。
直近の機能強化では、2018年1月に「ワークフローデザイナー」と「インテグレーションハブ」機能を追加した。ワークフローデザイナーは、業務のワークフローをGUIだけで簡単に設計できる機能である。複雑な業務処理プロセスをコーディングすることなく構築できるとしている。
今後の機能強化では、2018年第3四半期に「エージェントインテリジェンス」を追加する。問い合わせ案件やインシデント案件などのサービスチケットを発行する際に、過去のデータをマシンラーニング(機械学習)で学習することによって、案件をアサインする担当者や優先度、カテゴリなどを自動で設定できるようになる。