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一宮市が市税業務にRPAを適用する実証実験を開始、NECや日立システムズなど5社と連携

2018年6月28日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

愛知県一宮市は2018年6月27日、市税業務にRPA(ロボットによる業務自動化)を適用する実証実験を始めるにあたり、RPAの導入を担うベンダーとして、アイネス、NEC、日立システムズ、富士通、三菱総合研究所の5社と連携協定を締結したと発表した。2018年7月から8月にかけて実験を行い、2018年9月ごろに結果を報告する。

 一宮市は、ベンダー各社の協力の下で、市税業務にRPAソフトを適用する実験を開始する。市税業務は、特定の時期に定型的な単純作業が膨大に発生するため、RPAの導入によって、業務の効率化、市民サービスの向上、職員の時間外勤務の削減、働き方改革などが期待できるとしている。

 具体的には、個人住民税、事業所税の各業務システムにRPAを適用する。(a)特別徴収異動届出書と事業所税申告書については、紙の申告書をOCR(光学文字認識)でデータ化した上で、ロボットが自動入力する実験を行う。(b)特別徴収異動情報と年金所得異動情報については、何度も同じ情報を入力しているものを、人が一度入力して残りはロボットが自動入力する実験を行う。

 今回連携協定を結んだ事業者5社は、一宮市が電算業務を委託している事業者である。5社の実験テーマは、以下の通り。

 アイネスと三菱総合研究所の実験テーマは「事業所税の電子申告データ自動抽出・入力による作業軽減」、NECは「特別徴収異動届出書の自動入力による業務負担軽減」、日立システムズは「市民税異動データ作成業務の効率化」。富士通は「市民税業務へのRPA適用における職員作業効率化」、である。

 このうち、例えばNECの実験では、特別徴収異動届出書の記載内容のうち「異動年月日」や「異動の事由」など6項目をOCRでデータ化し、NECのRPAソフト「NEC Software Robot Solution」を使って自動入力し、入力時間の削減効果を分析する。

 特別徴収異動届出書は、社員の転勤や退職にともなって企業から市に提出する書類で、年間1万8000件におよぶ。市では従来、紙で提出された届出書の項目を職員が手作業で端末へ入力しており、入力のために年間約600時間を要していた。

写真1●RPA実証実験に関する連携協定締結式の様子。民間事業者5社のうちNECと締結した時の写真(右は一宮市長の中野正康氏、左はNEC 東海支社中部官公営業本部長の中野賢司氏)(出所:NEC)写真1●RPA実証実験に関する連携協定締結式の様子。民間事業者5社のうちNECと締結した時の写真(右は一宮市長の中野正康氏、左はNEC 東海支社中部官公営業本部長の中野賢司氏)(出所:NEC)
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