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シスコ、DC/NW/Appの稼働状況を分析・可視化する「Tetration」にSaaS/仮想アプライアンス版を追加
2018年7月19日(木)河原 潤(IT Leaders編集部)
シスコシステムズ日本法人は2018年7月18日、データセンター内のアプリケーションやネットワークの情報を収集・分析し、稼働状況を可視化する「Cisco Tetration」プラットフォームの新しい提供形態モデルを同年6月に提供開始したことを発表した。SaaSとして提供する「Cisco Tetration SaaS」と仮想アプライアンスとして提供する「Cisco Tetration-V」の2つで、いずれも既存のオンプレミス(自社運用)モデルと同等の機能を備えている。
インテントベースネットワークの「分析」を担う
シスコは2017年6月より、SDN(Software Defined Networking)やSDDC(Software Defined Data Center)の同社最新ビジョンとして、インテントベースネットワーク(Intent-Based Networking)を掲げている(関連記事:次世代のネットワークはより直感的な存在に、Ciscoが「The Network. Intuitive.」を発表)。
シスコシステムズ 執行役員 データセンター/バーチャライゼーション事業担当の石田浩之氏は、データセンターにおけるインテントとは『このアプリケーションはこのように利用したい』というアプリケーション開発チームの意図を指していると説明。その意図に沿ってデータセンター内での構成や設定が自動的に最適なものになるというのがインテントベースネットワークというわけだ。この説明は、同ビジョンの発端である、アプリケーションセントリックなSDNを実現する「Cisco ACI(Application Centric Infrastructure)」のコンセプトに通じるものだ(関連記事:Cisco ACIはSDNのメインストリームに駆け上がれるか)。
石田氏は、インテントベースネットワーク(つまり、シスコ流SDDC)におけるTetrationの位置づけをスライドで示して説明した(図3)。図にあるように、Tetrationは「Cisco ACI」を中核にしたインテントベースネットワークにおいて「分析」プラットフォームに位置づけられている。この分析と密接に連携するのが、「アシュアランス(保証、約束)」で、こちらはネットワークの動作を検証し、定められたポリシーとコンプライアンスを保証するためのプラットフォーム「Cisco Network Assurance Engine」が担う。
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インテント(意図)とコンテキスト(文脈、背景)によるデータセンター/ネットワーク駆動のために、ACIを含めたこれらのプラットフォームにはAI(人工知能)やマシンラーニング(機械学習)、ディープラーニング(深層学習)の技術が複数採用されている。石田氏はTetrationの説明の中で「ポリシーベース監視によるアラートの送出についても、ゆくゆくは自ら修復するとこまで目指したい」と語ったが、シスコのAI分野への取り組みがさらに進めば、その実現は遠い将来の話ではなさそうだ。