クラウド型の人材管理サービス「カオナビ」を提供するカオナビは2018年8月6日、人材管理に必要なデータベース項目を整理した「JOBXフォーマット」を定義したと発表した。2018年度(2019年3月期)までにカオナビに実装する。これにより、人材管理データを活用しやすくする。外部の勤怠管理サービスや人事給与サービスなどからも、API経由で人材管理情報を活用できるようにする。
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カオナビが提供するカオナビは、クラウド型の人材管理サービスである。社員の顔写真を一覧する画面を介して、人材情報を把握できる。顔写真をクリックすれば、個々の社員の詳細情報を見ることができる。「顔と名前が一致しないというシンプルな課題から出発したサービス」(柳橋仁機社長)であり、導入企業数は1000社以上という。
カオナビの特徴は、人材管理に必要な情報を一元的に管理できることである。人事評価や実績など、これまで印刷紙やデータベースなど複数の管理媒体にわたってバラバラに管理されてきた人材情報を一元化する。個々の社員についてよく知ることができるため、適切な人材配置や離職防止などの効果がある。
今回、カオナビの人材情報データベースを強化し、2019年3月期までにJOBXフォーマットを採用する。「1000社の導入実績から分かっているが、企業に必要な人材管理のデータベース項目はだいたい決まっている。だから標準的な人材管理マスターのフォーマットを定義した」(柳橋氏)。
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JOBXフォーマットのメリットの1つは、職種などのゆらぎを無くせることである。あらかじめ職種を定義して職種マスターとして提供することによって、例えば「デザイナ」と「デザイナー」を別の職種として扱わないようにできる。データ入力時に選択肢の中から選ぶ形で登録する。
カオナビのデータベースをJOBXフォーマットにした後で、順次、データを簡単に入力するためのスマホアプリなどを提供していく。例えば、入社時に必要な情報を入力するためのアプリや、社員が経験職種などの情報をアップデートするためのアプリなどを提供する。退職者の情報を保持しておいて再雇用のためのメールを配信する機能も提供する。
人材管理情報を必要とする外部のクラウドサービスとデータ連携するためのAPIも提供する。市場でよく使われている勤怠管理サービスや給与計算サービスから、カオナビが用意するAPI経由で人材管理データを取得できるようにする。「すでに、いくつか球をしかけている」(柳橋氏)。