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[市場動向]

「ソースコードの共有だけじゃない、ソフト開発の全工程に活用できる」─GitHub

2018年8月6日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

主にソフトウェア開発プロジェクトに向けてソースコードや情報を共有できるサービスを提供しているGitHub Japanは2018年8月6日、説明会を開き、GitHubが単なるバージョン管理ツールではなく、アイディアの共有からコードのレビュー、テスト工程やリリースなどを含めた開発工程のすべてをカバーするツールであることを強調した。

写真1:GitHub Japanでソリューションズ・エンジニアを務める池田尚史氏写真1:GitHub Japanでソリューションズ・エンジニアを務める池田尚史氏
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 GitHubは、開発プロジェクト支援システムである。バージョン管理ツールのGitをベースに、ワークフロー機能やコラボレーション機能など、開発プロジェクトを支援する各種の付加機能を追加している。2008年にクラウドサービス「GitHub.com」、2011年にオンプレミスで動作するサーバーソフト「GitHub Enterprise」、2017年に企業向けのクラウドサービス「GitHub Business Cloud」を開始した。

 GitHub Japanによれば、ソフトウェア開発会社だけでなく、伝統的な大企業を含めた一般のユーザー企業においても、GitHubのユーザーは増えている。Fortune 100企業の45%が社内開発にGitHubを使っているという。「GitHubはソフトウェア開発において事実上の標準」(GitHub Japanでソリューションズ・エンジニアを務める池田尚史氏)としている。

 使っている人が多いことは、GitHubの大きな優位性である。関連サービスや情報が豊富に存在しており、開発プロジェクトを助けてくれる。膨大なデータ量を活用した新機能として2017年に、機械学習を使ってコードの脆弱性を通知する機能もリリースした。

 日本では、日本法人を設立した2015年当時との比較で、GitHubユーザーが250%増えたという。説明会では、国内ユーザー企業の事例の1つとしてブラザーを紹介した。2014年にオンプレミス型のGitHub Enterpriseを導入しており、生産性や品質、技術力が向上したとしている。

バージョン管理だけでなく、ソフトウェア開発の全プロセスを支援

 「GitHubは、ソースコードの管理・共有だけでなく、アイディアの共有、コードのレビュー、テスト、デプロイに至るまで、ソフトウェア開発の全プロセスを支援する。このことを広く企業に知らしめていきたい」とGitHub Japanは強調する。

図1:ソースコードの変更点をビジュアルで把握しながらメンバー間でレビュー(査読)したりコメントを付けたりできる(出典:GitHub Japan)図1:ソースコードの変更点をビジュアルで把握しながらメンバー間でレビュー(査読)したりコメントを付けたりできる(出典:GitHub Japan)
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 アイデアをメンバー間で共有する仕掛けとしては、ドキュメントを作成する仕組みや、組み込み型のWiki機能などを備える。プロジェクトのタスクをカンバンで管理する機能も提供する。

 ソースコードのバージョン管理機能は中核機能である。Eclipseなど代表的なIDE(統合開発環境)と連携して動作する。

 開発したコードを他のメンバーに査読してもらうレビューを支援する機能も備える。修正前と修正後の差分をビジュアルで表示した上で、メンバー間で議論できる。

 テストとデプロイの工程においても、外部のテストツールやデプロイ管理ツールとAPIで連携する。テスト結果を履歴として管理したり、誰がいつどこにデプロイしたのかなどを把握できる。

 説明会では、「小説を登録して仮名遣いを修正する」というシナリオで、実際にGitHubを実演してみせた。小説を修正し、ワークフロー機能(プルリクエスト)を利用してレビューを依頼し、査読者が追加修正をコメントで依頼し、これを受けて追加の修正を反映するという一連のデモを実演した。

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