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東京オリンピックの関係者入口にNECの顔認証システム、五輪の入退場セキュリティで史上初採用

2018年8月8日(水)杉田 悟(IT Leaders編集部)

NECは2018年8月7日、同社の顔認証システムが、2020年7~8月開催の東京オリンピック・パラリンピックの、関係者エリア入口もおける本人確認に採用されたことを発表した。NECによると、大会関係者の入場に顔認証システムを採用するのは、オリンピック・パラリンピック史上初となる。

写真1:顔認証装置:下の白い部分でIDカードのタッチ認証を行い上のカメラ部分で顔認証を行う。デザインは本番用ではないとしている

 オリンピック・パラリンピックの大会関係者入退場セキュリティを担うデバイスとして、顔認証システムが初めて採用された。NECの生体認証「Bio-IDiom(バイオイディオム)」の中核技術である顔認証AIエンジン「NeoFace」および顔認証システムを運用するための周辺機器である(写真1)。あらかじめ撮影・登録した顔画像とICチップ搭載のIDカードを紐付けし、大会会場の関係者エリアの入場ゲートに設置した顔認証装置で、顔とIDカードによる本人確認を行う。

 2018年2月開催の平昌冬季オリンピックの関係者エリアでは、バーコード認証するとPCに本人の顔写真が表示され、その写真と本人が一致するかの確認をゲートの担当者が目視で行っていた。実証実験を行い、平昌のバーコード&目視方式とNECのIDカード&顔認証システム方式を比べてみたところ、平昌方式で4名通過する間にNEC方式では10名、つまり2.5倍のスピードで本人確認が行えたとしている。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会警備局長の岩下剛氏の説明によると、過去の多くの大会が競技場を1カ所に集中させた「オリンピックパーク」を設けて行われている。オリンピックパークの場合、関係者はパーク用の入場ゲートを通過すれば、パーク内のどの会場にも移動できる。つまり本人確認は1回で済む。

 東京2020大会は、オリンピックパークのない「超分散型」で行われることが決まっている。本人確認ゲートは会場ごとに設けることになるので、例えば報道関係者が複数の競技場を訪れる場合、競技場ごとに本人確認が必要になる。また、会場は主に都心部に設けられるため、行列はなるべく避けたい。そのため、1回の本人確認にかかる時間をできる限り短縮して入場をスムーズにする必要があった。

 NECの顔認証は、米国国立標準技術研究所(NIST)主催のベンチマークテストで4回連続世界第1位評価を獲得している世界でも指折りの技術。認証精度(認証率97%以上)、照合スピード(0.3秒で160万件)ともにトップ評価で、悪環境におけるエラー率ももっとも低かった。

写真2:顔認証の実証実験:複数人が列を作りスムーズに通過した(手前が女子バレーボール NEC RED ROCKETSの島村春世選手、奥がラグビー NEC GREEN ROCKETSの後藤輝也選手)

 報道陣向けに公開された実証実験では、関係者を模した社員が次々と顔認証装置を通過してみせたほか、身長2メートル超の人や車椅子の人も難なく通過できた。担当者によると、顔認証装置の認識距離は50センチから2メートルまで調整可能で、今後実証実験を重ねて適正距離を決めていくという(写真2)。

 また、NeoFaceが2020年までに機能強化やバージョンアップを行う可能性は高いと考えられるが、関係者によると「本番では最新の技術を用いるのではなく、安全性や安定性を考慮してできる限り"枯れた"技術を使うよう、運営から求められている」ことから、「おそらく現行のバージョンが採用されることになるだろう」としている。

 認証ゲートが設けられるのは全43会場のすべての関係者入口。ゲート数は数百にのぼると予想されている。関係者とは選手やスタッフ、ボランティア、報道陣などで、前回のリオ大会で約30万人。岩下氏は「今回はそれを上回る人数になるのでは」としている。NECは顔認証のほか、指紋認証、虹彩認証などの技術も世界トップクラスの評価を得ており、生体認証ソリューションとして世界70カ国以上、700以上のシステムに導入されているが、東京大会は世界に向けた絶好のショーケースとなる。「これを機に、これまで強かった公共分野だけでなく、イベント会場やスポーツ施設などエンタメ分野での導入拡大につなげられれば」(NEC 菅沼正明執行役員)としている。

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