法人向けオンラインストレージ「Box」を提供しているBox Japanは2018年8月9日、説明会を開き、Boxを導入したユーザー事例として三菱地所と井村屋グループを紹介した。さらに、Box Japanが考える理想的な働き方としてテレワークとオフィスワークを自由に選べるスタイルを提示し、Box Japan自身の新オフィスを紹介した。
説明会で登壇したBoxユーザーの1社が、三菱地所である。2017年に全部署でBoxを導入して社内で情報を共有できるようにした。2018年1月には新本社に移転してモバイルPCや共用モニターを導入、いつでもどこからでもデータにアクセスできる環境を整えてペーパーレス化を推進した。
三菱地所の島田映子氏(xTECH営業部 運営・ビジネス開発支援ユニット 統括 ユニットリーダー)は、Boxの効果の1つとして「紙に印鑑を押して回覧することが減った」と評価する。Boxが備えるタスク設定機能によって、こうしたワークフローを実現できる。一部の部署では電子印鑑も活用している。
説明会で登壇したBoxユーザーの1社が、井村屋グループである。導入後1年間で530人が使っている。スマートフォンなどで社内の文書にアクセスしている。複合機とも連携させており、スキャナで取り込んだ画像をBoxで閲覧する使い方や、パソコンを使わずにBox上の文書を印刷する使い方などに利用している。
「工場でも活用している」と、システム部部長の岡田孝平氏は説明する。工場向けの動画マニュアルをBoxに登録し、現場に設置した大型モニターを利用して教育に活用している。また、温度センサーの情報をBoxに保管して、これを商品の品質管理に利用している。
井村屋グループでは今後、チャットボットやAIスピーカーも活用し、コンテンツをチャットボットや音声を介して検索できるようにする。また、社内託児所にカメラを設置し、託児所内の様子を動画や写真でBoxを介して確認できるようにする。
Boxの機能はクラウドストレージだけではない
「Boxの機能はクラウドストレージだけではない」と、Box Japan代表取締役社長の古市克典氏は指摘する。例えば、クライアント側に閲覧アプリがなくても、Box上でほとんどすべてのフォーマットの文書ファイルを閲覧できる。Box上にファイルを置くだけで、ワークフローを自動で動かせる。APIを介して外部サービス(電子印鑑機能など)の機能を利用できる。
Boxが提供する機能については、「日々の業務をデジタル化する機能と、デジタルビジネスを実現する機能に注力している」(古市氏)という。デジタルビジネスを実現する機能の一例として、AIで分析した結果をトリガーにワークフローを自動で走らせる、といったことができる。
働きやすいオフィスを実践し東京オフィスを新設
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Boxが考える理想的な働き方について、Box Japanで執行役員アライアンス・事業開発部長を務める安達徹也氏は、「テレワーク派もオフィスワーク派も働き方を自由に選べるようにする」と説明。オフィスには、会話ができる点や大型モニターが使える点、美味いコーヒーが飲める点といった利点があるとした。
オフィスで重要な点は、働きやすいこと。Boxの活用などによって働きやすいオフィスを実現できるという。働きやすければ生産性が高まり、時間に余裕ができ、会話につながり、アイディアが生まれる。こうしてアイディアをぶつけあってイノベーションにつながる。このためにオフィスが有効という。
働きやすいオフィスの一例として、Box Japanみずから東京オフィスを新設した。住所は東京都千代田区丸の内1-8-2鉄鋼ビルディング15階で、2万1000平方フィートの広さがあり、約200人の社員を収容できる(現在の社員数は約100人)。社員同士のコラボレーションを念頭に設計しており、心身の健康を推進する禅ルームや、小さな子どもを持つ親のためのマザーズルーム、カフェテリアなどを備えている。
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