[市場動向]

NEC、米国の生体認証システム企業Tascentに出資

2018年8月28日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NECは2018年8月27日、グローバルでのセーフティ事業を拡大するため、米国の生体認証システム企業Tascent(タシェント)に出資し、同社株式を取得すると発表した。株式の取得完了時期は2018年8月末を予定している。出資の理由として、マルチモーダル生体認証に対する需要が急速に拡大していることを挙げる。虹彩認証市場についても大幅な成長を見込んでいる。

 Tascentの設立は2015年。虹彩認証を中心としたマルチモーダル生体認証システムを提供している。遠隔から高速・正確・高品質に虹彩の画像を取得する光学制御技術や、生体情報の正確な取得のために利用者をスムーズに誘導するUI技術などを持つ。これらを活用した製品を、世界各国の空港や政府機関、企業などが使っている。

 NECは今回の出資により、Tascentとの事業連携を強化する。具体的には、同社の光学制御技術やUI技術と、NECの様々な生体認証エンジンを組み合わせて、虹彩認証を活用したマルチモーダル生体認証システムを共同で開発し、パブリックセーフティ市場を中心に提供していく。

 NECは、2020年度までの3カ年の中期経営計画「2020中期経営計画」において、セーフティ事業をグローバルでの成長エンジンに位置付けている。今後も自社でのコア技術や製品・サービスの開発を推進するとともに、協業やM&Aを通じて新たな顧客基盤、デリバリリソース、コア技術、ビジネスモデルを獲得するとしている。

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