ネットワールドは2018年10月11日、データバックアップ用ストレージなどのセカンダリストレージに求められる機能を豊富に備えた分散ストレージソフト「Cohesity」を2018年10月1日に提供開始したと発表した。価格は要問い合わせ。ソフトウェアとアプライアンスの両形態で提供する。開発会社は米Cohesityで、ネットワールドは2018年2月に販売代理店契約を交わしている。国内の第1号ユーザーはソフトバンク。
ネットワールドの「Cohesity」は、多機能を特徴とした、セカンダリストレージ用途のストレージ管理ソフトウェアである。基本機能として、データバックアップソフトや業務サーバー機などから、ファイル/オブジェクトのターゲットストレージとして利用できる。さらに、ライセンスの追加によって、Cohesity自身がデータ保護ソフトの機能を提供する。外部にデータバックアップソフトを用意することなく単体でデータを保護できる。
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ターゲットストレージのプロトコルは、NAS(NFS/SMB)とオブジェクト(Amason S3互換REST API)である。分散ストレージソフトであり、スケールアウト型で動作する。ノードを増やすことで性能と容量を増やせる。
ライセンスの追加によって、クラウドゲートウェイ機能も提供する。Amazon S3などの外部ストレージを、アーカイブ用途やティアリング(階層化)用途で利用できる。ノードとクラウドを一元的に管理できる管理GUIもSaaS型で提供する。
Cohesityで管理しているデータをクラウドにレプリケーション(複製)する用途で使う仮想アプライアンス型のストレージソフト「Cloud Editon」も用意した。AWSのマーケットプレイスなどから調達できる。
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他のストレージ製品と比べてCohesityだけが提供できる機能として、米Cohesityの創業者兼CEOであるMohit Aron(モヒット・アロン)氏は、複数のノードやクラウドをまたいだスコープでデータの重複排除ができること、などを挙げる。
Cohesityでは、この上で、これまで別製品として提供することが多かったクラウドゲートウェイなどの複数の機能をまとめて提供する。「電卓やGPSなどの複数の機能を集約したスマートフォンのように、必要な機能を集約した」(Mohit Aron氏)。
Cohesityではさらに、これまでストレージの外部で実現していたデータバックアップ機能などの高付加価値機能を提供する。「データ保護などのコンピュート(処理)をストレージ側で提供する。ハイパーコンバージェンスの考え方をセカンダリストレージに適用している」(Mohit Aron氏)。
バックアップ済みの仮想サーバーのイメージを、復元先の仮想化環境に合わせて変換して復元する機能なども提供する。