TISは2018年10月16日、警備、案内、運搬、清掃など人の業務の一部をサービスロボットが代行・分担できるようにするサービス「サービスロボットインテグレーション事業」を開始すると発表した。まずはビルメンテナンス市場向けに展開し、段階的に適応市場を広げる。関連ビジネスの売上として、2023年度までに40億円、2026年度には110億円規模を目指す。
TISは、警備、案内、運搬、清掃など人の業務の一部をサービスロボットが代行・分担できるようにするサービス「サービスロボットインテグレーション事業」を開始する。
新事業を支えるシステム基盤として、複数のサービスロボットを統合的に管理し、複数のロボット同士やセンサーなどを人を含めて相互に連携させるソフトウェア「RoboticBase(ロボティック・ベース)」を開発する。さらに、サービスロボットの導入コンサルティングなど、関連するシステム構築サービスを提供する。
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「RoboticBase」は、サービスロボットをシステムに組み入れて人の業務を代行・分担できるようにするためのソフトウェア基盤を提供するSaaS型クラウドサービスである。サービスロボット同士が連携して特定業務を分担したり、カメラやIoTデバイスとデータ連携して高付加価値なサービスを提供したりできるようになる。
RoboticBaseは、IoT/スマートシティ向け基盤ソフト「FIWARE」(ファイウェア)をベースに構築した。FIWAREは、欧州が成果をオープンソースとして公開しており、TISは2018年6月に運営団体であるFIWARE Foundationにゴールドメンバーとして参画し、ロボットとIoTとの連携ソフトウェア開発を進めている。
サービスロボットの導入コンサルティングでは、SIベンダーとして培った要件定義やシステム設計のノウハウを最大限に活かし、サービスロボットを導入し効果を出すためのコンサルティングを提供する。サービスロボットでは、どの業務をロボット化するかという観点から、業務プロセスの再設計、費用対効果の算定などが重要な課題となる。
TISは今後、2018年秋中にRoboticBaseのβ版を開発し、2019年春を目途に正式版サービスとして公開する。TISは現在、RoboticBaseの開発に向けて、ゼネコン、デベロッパ、ビルメンテナンス企業などを含むビルメンテナンス市場の様々なプレイヤとの協業の準備を進めている。
サービス提供の背景について同社は、安価で汎用性のあるロボットが少なく、システム構築費用も高額のため、ロボットの活用が進んでいないことを挙げる。「これまでのサービスロボットの活用においては、人の代わりに業務プロセスに組み込んで活用するという方法は十分に行われていないのが現状である」(同社)。