NECは2018年12月6日、グローバルのNECグループ全社員11万人が利用するネットワークの刷新プロジェクトを開始したと発表した。新ネットワークは、SDN技術を用いて7000台のネットワーク機器を集中管理する。先行して、国内の本社、事業場、関係会社の大規模拠点を中心とした72拠点に展開済み。2019年度以降、世界48社76拠点に展開する。
NECが全社で刷新中の新ネットワークは、SDN(Software Defined Networking)技術を用いて7000台のネットワーク機器を集中管理する。LANやWAN、データセンターなど、これまでグループ会社やプロジェクトごとに個別に構築していたネットワークを物理的に統合する。この上で、目的別の仮想ネットワークを設定する。
ネットワーク構成は、ネットワーク統合運用基盤(オーケストレータ)から柔軟に変更できる。組織が変更になった場合や、ネットワーク接続ポリシーが異なる企業と協業する場合に、用途に合ったネットワークをその都度設定できる。働き方改革のためのモバイルネットワークなども迅速に構築できる。
運用管理体制も一元化する。これまではNECグループ各社ごとに分散してネットワークを運用していたが、今後は、既存の機器も含めてNEC本社のネットワーク管理部門が集中管理する。これにより、グローバルでのネットワークの構築や変更のリードタイムを月単位から日単位へと大幅に短縮する。また、ネットワークの運用管理に必要な工数をグループ全体で30%効率化する計画である。
サイバー攻撃への対応としては、セキュリティインシデントを検知した後のネットワーク遮断などの作業を自動化する。迅速な初動対応によって被害を極小化する。また、仮想ネットワークの利用によって、安全性を保ったままで、一般業務、ソフトウェア開発、生産系など、セキュリティポリシーがそれぞれ異なるネットワークを物理的に統合できる。