オールフラッシュ型ストレージを提供するピュア・ストレージ・ジャパンは2018年12月20日、オンプレミス環境とクラウド環境をまたいだハイブリッド環境を想定したソフトウェア機能「Pure Storage Cloud Data Services」を発表した。AWS(Amazon Web Services)上にオンプレミス同等のストレージを構築するソフトなど、3つの新機能で構成する。同日付けで利用できるようにした。
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米Pure Storageは、オールフラッシュ型の高速ストレージを開発しているベンダーである。主力製品として、ドライブ構成をすべてSSDとしたSAN接続型のブロックストレージ装置「Pure Storage FlashArray//m」と、非構造化データの格納やデータバックアップ用途に適したスケールアウト型のファイル/オブジェクトストレージ装置「Pure Storage FlashBlade」を提供している。
今回、同社のストレージ製品を購入したユーザーに向けた無料の追加機能として、オンプレミス環境とクラウド環境にまたがったハイブリッド環境を想定したソフトウェア機能群を新たに用意した。AWS(Amazon Web Services)上にFlashArray//m同等のブロックストレージを構築するソフトウェアとして「Cloud Brock Store for AWS」を、データをAWSにバックアップするためのソフトとして「CloudSnap for AWS」と「StoreReduce」を提供する。
新ソフトの1つ、Cloud Brock Store for AWSは、ブロックストレージ装置であるFlashArray//mが搭載しているストレージ管理OSの「Purity」を、AWSのAmazon EC2サーバー上で動作させ、AWS上でFlashArray//m互換のブロックストレージを実現する。AWS Marketplaceからインストール/プロビジョニングでき、FlashArray//mと同じ使い勝手で同じ機能を利用できる。例えば、インライン重複排除機能やデータ圧縮機能、シンプロビジョニング機能、スナップショットや非同期レプリケーションなどの機能群を利用できる。
このほかの2つは、いずれもAmazon S3クラウドストレージにデータをバックアップするためのソフトである(図1)。フラッシュにバックアップを取り、長期保存データについてはクラウド(Amazon S3)に移行する形になる。「ハードディスクにバックアップして最終的にテープに移行する従来のやり方では、リカバリに時間がかかってしまう。また、クラウドはテープよりも信頼性が圧倒的に高い」と、米Pure Storage戦略部門副社長のマット・キックスモーラー(Matt Kixmoeller)氏(写真1)は指摘する。
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新たに加わったCloudSnap for AWSは、ブロックストレージ装置のFlashArray//mのOSソフトウェアであるPurityの新バージョン5.2で利用できるようになる新機能であり、FlashArray//mのスナップショットをAmazon S3上に作成できる。スナップショットはオンプレミス環境とクラウド環境のどちらにでも復元できる。
もう1つのStoreReduceは、米Pure Storageが買収した米StorReduceのソフトウェアであり、オブジェクトストレージ上にあるバックアップデータを重複排除によって削減し、重複排除後のデータをAmazon S3に複製する。同社は、StoreReduceをファイル/オブジェクトストレージ装置のPure Storage FlashBlade上で動作させることを想定している。
Pure Storage FlashBladeは、ファイル共有プロトコルとAmazon S3互換のオブジェクトプロトコルが使えるスケールアウト型のストレージ装置であり、分散ストレージソフトを搭載したブレードサーバー機を増設することで容量を拡張できる。ストレージソフトウェアはXeonベースのSoC(統合チップ)とARMコアを搭載したFPGAで処理する。ここにStoreReduceをインストールして機能を拡張して使う。
ソフトウェア群の提供時期として、Cloud Brock Store for AWSとStoreReeduceは、2018年12月20日付けでβ版を利用できる。CloudSnap for AWSは、Purityの新バージョン5.2を数週間後にリリースしたタイミングで利用できる。料金はいずれも無料で、同社のストレージ製品を購入したユーザーであれば利用できる。